佐々木融氏:日米金利差縮小で円高の可能性

佐々木融

JP Morganの佐々木融氏が、長期金利ターゲット施行下でのドル円レートを予想している。
米長期金利には短期的には低下要因があり、日米金利差縮小による円高が起こりやすいと指摘している。

短期的には円高の可能性

佐々木氏は最近、「総括的な検証」により導入された長期金利ターゲットがソロス・チャートを信じる市場参加者を通じて円高圧力を及ぼすと発言している。
今日付けのReutersへの寄稿では、同じ円高方向の予想をもう一つの視点=日米金利差に重点を置いて繰り返している。
日本が長期金利(当面は10年もの国債利回り)をペッグしようとしているため、「日米金利差の主要ドライバーは米10年国債金利」になったと指摘し

「米10年国債金利のリスクは短期的には低下方向にあり、過去2週間のレンジ(172―181bp)を下抜けする可能性が高い」

と予想する。
米金利が低下するなら、ペッグされた円金利との差は縮まる。
金利差にドル円レートが素直に反応するなら、円高側に振れる可能性が高いというわけだ。

今や30年もの金利差が主役

まず、前提となる金利と為替の関係について、佐々木氏の興味深い観察を3つ紹介しよう。

  • 「足元、日米2年金利差とドル円相場の相関はさほど強くない。」
    ドル円レートを2年もの金利との相関で見る時期もあったが、今はそうではない。
     
  • 「相関が強いのは10年金利差だ。」
    10年ものも相関が切れたように見えた時期もあったが、まだ有効であるようだ。
     
  • 「10月に入ってから、日米10年国債金利差よりも日米30年国債金利差の方がドル円相場との相関が強くなっている。」
    単なる推測だが、政府が金利を統制すると指標性を失うということのようにも思う。
    ゼロ金利政策で短期側のレンジが日銀により統制されてしまうと2年もの金利の重要性が減少、ノイズに勝てなくなる。
    長期金利ターゲットが導入されると10年ものも重要性が減少しつつあるのではないか。
    あくまで推測だが。

この3つの現象がもうしばらく続くのであれば、10年ものあるいは30年ものの金利差を見ればいいことになる。

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