ロバート・シラー:極端に異常な時代

ロバート・シラー

資産価格の実証的研究で2013年ノーベル経済学賞を受賞したロバート・シラー教授が、米不動産市場についてコメントした。
先週発表の7月のS&P/ケースシラー住宅価格指数はわずかに市場予想に届かなかった。

シラー教授が開発に携わった7月のケースシラー指数は、前年比5.0%増(市場予想5.1%増)だった。
わずかに市場予想に届かなかったとは言え、依然高い水準にある。
すでに、サブプライム危機/リーマン危機前の2006年の水準に戻っている。

米経済の本質的な問題が解消したのか疑問が残る中、FRBはインフレの気配を恐れて利上げをあきらめられない。
そうした状況での不動産の高値が市場の疑心暗鬼を呼んでいる。
Yahoo Financeのインタビューで、資産価格の第一人者シラー教授は、(不動産バブル崩壊を)懸念する理由はいつでも存在すると話した。
一方、現在は危機前とは状況が違うとも語る。

「みんな一時停止状態にある。
投資家自身が(住宅価格の)大きな上昇を信じておらず、それほど積極的に買っていない。
記録的な持ち家率となった2006年は、投資家はとんでもない(上昇)期待を抱いていた。」

シラー教授は、今後のFRB利上げが不動産市況に与える影響は不透明と認める。
しかし、潜在的な住宅購入者にとっては大きな要因ではないと見ている。

「昨年12月の利上げはたった0.25%だったし、次に利上げしても0.25-0.5%にすぎない。
たいした話ではないはずだ。」

現在の超低金利水準からすれば、多少の利上げで住宅投資が鈍るとは考えにくいとの見方だ。
逆を言えば、ここまでの低金利は、住宅投資の刺激効果が逓減していたともとれる。
シラー教授は、むしろ利上げの持つ象徴的な意味合いの方を心配している。

「ゼロ金利の奇妙な時代であることを考えると、利上げは重大な意味を持つかもしれない。
人々が(利上げを)岐路ととらえるなら、住宅価格に影響しうる。」

玉虫色の予想を述べた後、シラー教授はこう結論している。

「家がほしいなら買ったらいいと思う。
現在は極端に異常な時代だ。
リスクは常にある。」