ロバート・シラー:未来は予測も備えもできない

ロバート・シラー

資産価格の実証的研究で2013年ノーベル経済学賞を受賞したロバート・シラー教授が、マイナス金利時代の投資戦略について語った。
分散投資が以前にも増して重要だとし、多様な資産クラスに目を向けるべきと語った。

資産価格の権威 シラー教授は日経マネーに対し「未来を予測するのは難しい」と強調した。
さらに、未来を予測するだけでなく、未来のよくないことに備えることもまた困難と言い切った。
そうした認識の上で、投資家にこう勧める。

「人々は自分の資産を守ろうとすることはできるし、そう努力すべきだ。
その際には、多くの異なる資産に分散投資することが求められる。」

シラー教授は、具体的な投資対象を考える際には、現在の低金利と技術革新の関係に目を向けるべきと主張する。
「確信があるわけではない」と断りながらも、そのメカニズムを語る。

  • 「技術革新がもたらす新しい世界では、どの企業が成功するかわからない。」
  • これが企業間をはじめとする格差をもたらす。
  • 人々は不安に駆られ、各国の国債が買われ、金利が低下した。

教授は、こうした低金利の時代には「あまりなじみのない投資をしなければならない」という。
自国のありふれた資産クラスに安住してはいけないということだろう。
例として

  • PERの低い国(欧州など)の株
  • 日本株は?だが、分散のために組み入れるのは可
  • ヘッジ・ファンドは手数料が高すぎる

と言及した。

アベノミクスについては

「大々的とは言えないが、一定の成功を収めた。
日本の経済成長は期待に反して弱いかもしれないが、日本を訪れると素晴らしいところだと思う。」

とコメントしたが、これは相当に割り引いて受け取った方がよさそうだ。
日本が素晴らしかったのは、デフレの最悪期もたいして変わらなかった。
日本は、経済成長率などでは表現できない素晴らしい国だ。
シラー教授がその点まで理解するほど日本に精通しているか少々疑わしい。

シラー教授は、日本のヘリコプター・マネー実施への期待感について、空論と斬って捨てた。
ヘリコプター・マネーを支持していない黒田総裁の考えは正しいと評価した。