レイ・ダリオ:極度にあいまいで面白い時代

レイ・ダリオ

Bridgewater AssociatesのRay Dalio氏が昨日、大統領選の結果と投資戦略について顧客に書簡を送った。
あてにならない前提で動く市場にブレーキをかけるようなメッセージになっている。

ブリッジウォーターは米大統領選挙の結果が出る前、トランプ勝利なら株式市場が急落すると予想していた。
果たして、日本市場は急落した。
しかし、トランプ氏が勝利宣言を無難にこなすと、翌日の米市場は逆に急伸する展開となった。
こうした動きについてコメントしたブリッジウォーターの書簡をBusiness Insiderが伝えている。
ダリオ氏は不確かな前提で市場が動いていると指摘している。

「わかっていることよりわからないことの方がはるかに多い。
市場はますますトランプ氏がやりそうなことに気を取られ、彼に分別があるかどうかは構わなくなってきている。」

ダリオ氏は、トランプ氏のこれまでの発言について真に受けていないようだ。
多くは票目当てのリップ・サービスであり、本当に何をやるかはまだ予想できないとの考えだ。

「選挙戦でのレトリックから実際の政策を読み解こうとするのは誤りだろう。
我々は極度にあいまいで面白い時代に入った。」

トランプ氏が金融政策に影響を及ぼす可能性は高いとダリオ氏は見ている。
FRBは議長や理事の人事が迫っており、政権が人選を通してFRBに影響を及ぼす可能性が高い。
金融政策に路線変更があるようなら、金融市場への影響は甚大だ。
しかし、変化の有無や内容はいまだ深い霧の中にある。

根っから楽観的な米市場は、深い霧を前向きにとらえたのかもしれない。
本来、ボラティリティの上昇は資産価格にはマイナス要因のはずだった。
しかし、市場は上下両方あるはずのリスクのアップサイドばかりに注目しているようにも見える。

ダリオ氏が言うように、現実の政策を占うのにトランプ氏のこれまでの発言はあまり役に立たないかもしれない。
むしろ、閣僚人事や共和党との政策協議の方が多くの情報を与えてくれるのではないか。
それでも霧がすべて晴れることはないはずだ。
だからこそ、投資家の見る目が試される「面白い時代」なのだろう。