レイ・ダリオ:問題は「いつ」だ

レイ・ダリオ

Bridgewater AssociatesのRay Dalio氏が、金融環境の大きな変化を予想している。
金利やインフレが反転すると予想し、次の疑問はそれにともなう諸現象がいつ起こるかだと示唆した。

ダリオ氏は自身のSNSで、大統領選を境に大きく時代のイデオロギーと環境が変化すると予想している。
変化前の世界とは

1) グローバル化、自由貿易、国際化
2) 比較的無害な財政政策
3) 鈍い国内経済成長、低インフレ、債券利回り低下

変化後の世界とは

1) グローバル化・自由貿易・国際化の逆行
2) 積極財政
3) 成長回復、インフレ上昇、債券利回り上昇

で特長づけられるものだという。
こうした変化から、ダリオ氏は金融市場に大きな変化が起こりつつあると見る。

「債券価格は30年来の高値を打った可能性が高い。
趨勢的なインフレの底、趨勢的なインフレに対する債券の相対利回りの底を打った可能性が高い。」

天井や底を打ったということは、反転が始まるということだ。
反転前の環境に慣れきったポジションは、ここでふるい落とされることになる。
金利低下の中で長いデュレーションの恩恵を受けてきた投資家が反転への備えを怠れば、大きなしっぺ返しを食らうことになる。

「債券の実効デュレーションが長期化しているため、価格の変動は大きくなる。
FRBなど中央銀行が引き締めを進めれば、財政政策と金融政策の効果が相反する状況になりかねない。」

片方でFRBが利上げを進め、片方で米政府が財政出動を進めれば、財政政策の効果を金融政策が相殺することになりかねない。
ただでさえ、財政政策にはクラウディング・アウト効果によって金融市場を引き締める傾向がある。

為替については諸外国との経済成長率・金融政策の差からドル高を予想している。
さらに、財政拡大・保護主義により国内株有利と連想している。
ダリオ氏の頭の中では、一通りの仮説が組み上がりつつある。
その上で、次の課題を明らかにする。

「問題は、いつ電流が走るかだ。
つまり、名目・実質の債券利回りやリスク・プレミアムの上昇がいつ他の資産価格を害し始めるかだ。」

相場で一番難しいのは《どっち》ではなく《いつ》である。
ダリオ氏は具体的な《いつ》については言及を避けている。