マーク・ファーバー:大統領選後の変化に注意

マーク・ファーバー

スイス人著名投資家マーク・ファーバー氏が、米大統領選後の大きな変化を予想した。
来年になれば、米国が金融緩和に転換したり、ヘリコプター・マネーが実施される可能性があるという。

ファーバー氏は米金融政策について、米大統領選前の大きな動きは予想していないとインドETに語った。
米経済の特段の回復が確認されているわけではないこと、利上げが米ドル高を招きかねないことなどを理由に、年内のFRB利上げはないと予想した。
一方、大統領選が終われば話は別だ。

「来年には、さらなる金融緩和やいわゆるヘリコプター・マネーが起こりうる。」

どういった経済・市場の悪化が引き金になるかは明らかにしないものの、米国が金融緩和に回帰するシナリオを捨てていないことを示唆した。
この見方を反映して、従来からの金投資の推奨を継続している。

「中央銀行のバランスシート拡大、世界経済、世界の通貨・信用の金額を考えると、現在の金価格(1,300ドル超)は1990年代(300ドル)より割安だ。
投資家は金を保有すべきだ。」

新興国株式については、長い目で見れば悪くないとの見方を示した。
裏を返せば、短期では疑問符がつくということだろうか。

「新興国株は米国株より割安だ。
今後10年で見れば、米国より新興国の方が稼げるだろう。
インドを含む新興国経済の難点は、質の高い企業が極めて高いということ。」

ファーバー氏は、「ある企業は十分高いし、ある企業は魅力的だ」と個別銘柄の選択が重要になると指摘した。
インデックスに投資するような戦略がうまく働かないことを匂わせている。
実際、インド株は全体で見ると割安感がないようだ。

「SENSEXが20,000程度なら買いだ。
今は28,000近辺で、中央銀行RBI次第ではまだ上がりうる。」

ファーバー氏がRBIに言及したのは、インフレ退治に注力したラグラム・ラジャン氏がRBI総裁任期を全うするからだ。
ファーバー氏は、誰が後任でも、ラジャン氏より量的緩和・利下げに傾くだろうと予想し、市場へのインプリケーションを語る。

「インド・ルピーは年末までに1ドル70-75ぐらいまで下げるだろう。
株は、ルピー安などで下がるだろう。
ルピー建てでは株式は上がるかもしれないが、ドル建てで上がるとは限らない。
しかし、今後10年で見れば、米国よりインドの方がいいかもしれない。」