マーク・ファーバー:ベイル・インに備えよ

マーク・ファーバー

スイス人著名投資家マーク・ファーバー氏が、シカゴで開催されたセミナーで金融政策と投資戦略について語った。
金融緩和が市場を不安定化し格差を拡大したと批判、ベイル・インの可能性を指摘し、安全資産として金など実物資産を推奨している。

格差が進む「裏口社会主義」

ファーバー氏は、先進国市場の現在のシステムが持続可能でないと語った。
そして、いつか悪い終わり方をすると語ったとYahoo Financeが伝えた。
ファーバー氏は、S&P500が何時間の労働で買えるかを喩えに使っている。
1960年代には20時間でよかったものの、現在では100時間。
これでは、低所得者層が這い上がるための妨げになる。
ファーバー氏は、これを「金融政策が生んだ大きな格差の証拠」と呼んでいる。
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ファーバー氏は、量的緩和による中央銀行のバランスシート拡大にも強い懸念を示している。
こうした政策を永遠に続けることは不可能ではないだろうが、そうすれば、国家がすべてを買いあさることになる。
ファーバー氏は、「裏口の社会主義」と呼んでいる。

米国株は1-2%リターンがやっと

米金融政策は米国株をはじめとするリスク資産の価格を上昇させてきた。
問題は、価格上昇を正当化するだけの収益向上がともなっているかだ。
ファーバー氏の見方は、金融政策主導のいびつな価格上昇である。
そのため、米国の投資家は1-2%のリターンが得られれば幸運な時代になりつつあると予想している。

安全資産は現金ではなく金

ファーバー氏は、安全資産としての現金の選択にも懸念を示している。

「通常の時期、現金は最も安全な投資だ。
しかし、今日最も危険な資産は現金だ。
銀行口座にある現金は、キプロスのように無価値になってしまうかもしれない。」

キプロスで行われたベイル・インを想起させる発言だ。
ファーバー氏が話すと極端な例のように感じられるきらいがあるが、実はそうではない。
ベイル・インは日本のような先進国でも現実味を帯びつつある。
ファーバー氏は資本主義の原則を問い直す。

「資本主義には会社の倒産が必要で、悪い行いは厳しく罰しなければいけない。
その仕組みが働いていない。」

現金がダメとなれば、何がいいのか。
ファーバー氏は、中央銀行の市場介入への備えとして、インフレとともに価格が上昇する実物資産を推奨した。
資産の25%の金といくらかの不動産だ。
金価格は1990年代300ドルのレンジだったが、今では1,300ドルを超している。
一見大きく上昇したように思えるが、ファーバー氏の考えは違う。
中央銀行のバランス・シート拡大を考えれば、1990年代より安いのだという。