マーク・ファーバー:カストディに気をつけろ

マーク・ファーバー

スイス人著名投資家マーク・ファーバー氏の今月の書簡は『分散の重要性を教えてくれるのはしばしば大きな損失だ』だった。
平均的な投資家には分散投資は有効であり、カストディ・地域が重要になると説いている。

ファーバー氏のファンなら、同氏の分散投資のことを聞いたことがあるはずだ。
ファーバー氏は、資産を1/4ずつに分散しろと言ってきた。
4つの資産クラスとは、株式、債券・現金、不動産、貴金属だ。
ファーバー氏は、分散投資を勧めつつ、その限界も理解している。

  • 「現在、ほとんどの資産がひどく高くなっており、分散投資が完全に有効か自信がない。
    とは言え、異なる資産を保有する戦略は、平均的な投資家にとっては最良の選択肢だ。」
    かつては、異なる資産クラス間に存在したリスク分散効果が、ほとんどの資産クラスが割高になるにつれ低減している可能性がある。
  • 「超金持ちを目指すなら、分散は選択肢ではない。」
    自分が優れた投資家であると信じ、最良の投資リターンを目指すなら、最良の資産のみに投資することが最良のリターンをもたらすことになる。
    ウォーレン・バフェット氏が典型例だ。

ファーバー氏は、後者の例として、ビル・ゲイツなど格別の成功を収めた創業者も加えている。
彼らは自社の株式だけを保有し、幾度となく株価の上下をやり過ごして巨万の富を築いた。
「こうした事実を受け入れることが、逆境で感情をコントロールし、優れた投資家になる長い道のりにつながる」という。
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ファーバー氏は投資家に、どちらの道を歩くか明確に意識すべきと教える。

  • Apple、Amazon、Microsoft、Googleなど例外的な銘柄を掘り当てる道。
    大当たりを狙うなら、自身が自ら感情をコントロールしなければならない。
  • 投資分散というルールを自身に課すことによって、感情をコントロールする道。
    平均点を狙うなら、感情のコントロールを機械的に実現することができる。

こうした選択は、アクティブ運用・パッシブ運用の二者択一に通じるものだ。
こんな初歩の初歩を、なぜ今さらファーバー氏は説いているのか。
それには、ファーバー氏なりの環境分析がある。

「私たち投資家は今後数年、ボラティリティ上昇のみならず、保有資産の低リターンを経験することになる。
さらに、私たちは、各国政府・中央銀行の悪しき介入に耐えなければならない。
それは、私有財産への課税強化や隠れた収用だ。」

ファーバー氏が言いたいのは、言うまでもなくインフレ税のことである。
世界中でゼロ金利/マイナス金利が流行となる中、実質金利がマイナス(名目金利が物価上昇率に満たない)となる事例が多く見られる。
中央銀行による金融抑圧だ。
この状態では、国債を買っても投資家の購買力は失われていく。
一方で、金を借りる側の政府は超低金利の恩恵を受ける。
インフレ税と呼ばれるゆえんだ。

ファーバー氏は、政府の収奪から資産を守るためのポイントを教える。

「資産のカストディ(保管場所)、地理的所在がますます重要になっている。
カストディについては、詐欺が横行しており、注意が必要だ。」