ファーバー:量的緩和がもたらす社会主義・共産主義化

マーク・ファーバー

スイス人著名投資家マーク・ファーバー氏が、量的緩和の果てには社会主義・共産主義が待っていると指摘した。
バリュエーションに関しては、長期的に見て貴金属や新興国市場に魅力があると語った。

Business Standardのインタビューで、ファーバー氏は、ほぼすべての資産価格が金融緩和によって大きくかさ上げされていると語った。
そうした資産(債券、株式、収集品など)はいつか大きく下げると予想し、唯一の例外が貴金属だという。
貴金属も上げてはいるが、まだありうるバリュエーションにあるという。

投資のタイミングを尋ねられ、ファーバー氏は、タイミングは大きな問題ではないと答えている。
どういうタイミングでも今後のリターンは低くならざるをえないと見ているからだ。
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「今から5年間で、世界がどうなっているか予想がつかない。
中央銀行がどんなに愚かで正気を失っていることか。
中央銀行は、すべての国債・社債を買い入れるかもしれない。」

市場原理が阻害されている今、上げるか下げるか、現状が維持できるか崩壊してしまうかは中央銀行の政策次第なのだ。
その最たる例が日本であり、波及する範囲は投資にとどまらない。
社会体制にまで及ぶ話だ。

「日本の場合、企業の主要株主になるだろう。
要するに、日銀は株式市場のすべてを買い入れることができる。
量的緩和によって、世界は国有、社会主義、共産主義に移行することができる。」

Bloombergの集計では、8月初旬時点、日経平均構成銘柄の3/4で日銀が大株主上位10位以内に入っている。
2017年末には1/4、2018年末には1/3の銘柄で、日銀が筆頭株主になる見込みだという。
《日本は社会主義の国だから・・・》などと皮肉交じりに話したことのある人は多かろう。
しかし、こんな形でそれが実現に向かうのを予想した人は少ないはずだ。

ファーバー氏のインタビューはFRB利上げにも及ぶ。
ファーバー氏は9月、米大統領選前の利上げの可能性を否定する。
経済は悪化を続け、結局12月利上げもないという。

米大統領選については、市場の好みを注視すべきという。
ファーバー氏は、クリントン候補が不幸をもたらすと考えているが、市場全般では同氏の当選を期待していると読む。

「クリントン勝利なら、トランプ勝利に比べて短期的には株式市場にプラスだ。
長期的には、たいして変わらない。」

新興国市場については、先進国市場よりも長期的な可能性が高いとし、1人あたりGDPの低い国々を列挙した。

「今後10-20年で、ベトナムの1人あたりGDPがタイなどより高くなるのは確実と見ている。
そうした地域が成長していくのだろう。」

ファーバー氏は、セクターごと・資産ごとの価格が割安か・割高かを注意深く見極めるべきと説いている。