ピーター・シフ:金利上昇で貸出はデフォルトへ

ピーター・シフ

Euro Pacific CapitalのPeter Schiff氏は、利上げするというのがFRBのブラフに過ぎないと指摘した。
FRBが利上げしようがしまいが、銀行セクターには困難な時期が続くという。

ゼロ金利・マイナス金利が採用された先進各国では、金融機関の収益圧縮が問題視されている。
絶対的水準が低いばかりでなく、イールド・カーブがフラットになっていることで、金融機関が十分な資金利ザヤを取れないのだ。
FRBが利上げに動けば、この問題が緩和すると見られている。
しかし、シフ氏によれば、そうそう楽観できないという。

「問題なのは、銀行がすでに実行した貸出について損失を負う点だ。
そうした低利の貸出債権は、金利が上昇すると価値を大幅に失う。
債権の多くはデフォルトし、担保はダメになるだろう。」

シフ氏からすれば、FRBが利上げしてもしなくても、銀行は苦労するという話になる。
「勝ちのない状況」と表現し、銀行株は持たないと語った。

リスクの所在の認識としてはまったく正しい。
ただし、リターンとリスクをネットして考慮しても「勝ちのない状況」なのかは明らかでない。
利上げすれば、貸倒が増えるかもしれないが、利ザヤの問題は少々改善するかもしれない。
(実際、市場はそれを先取りしているようにも見える。)
それに、貸出債権の減価について言えば、とうにスワップや流動化等でリスク・ヘッジしている部分も大きいはずだ。

リスクの低減を無視してしまうから、シフ氏の危機感は高まるばかりだ。

「結果、巨大な金融危機がやってくる。
これこそが、FRBが利上げをしない理由だ。
・・・
利上げするというのはFRBのブラフだ。」