ビル・グロス:絶句した

ビル・グロス

債券王ビル・グロス氏が、政策金利を据え置いたFOMCの判断を批判した。
日銀がイールド・カーブのスティープ化を明言したのに対し、FRBは結果的にフラット化させたと指摘している。

市場予想と反し米利上げ確率を半々としていたグロス氏は、FOMCが政策金利を据え置いたのを見て絶句したのだという。
「感情で息が詰まり、言葉が出なかった」と表現している。
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「ジャクソン・ホールでのタカ派的な講演の後、2016年中に2度の利上げがあると言ってきたFRBのイエレン議長・フィッシャー副議長は、短期金利を正常化するのに必要な利上げを再び先送りすることを選んだ。
正常化は預金者にとって、少なくとも教育・引退後・医療の費用のわずかな足しになるはずだった。」

FOMC前にはFRB高官のタカ派的発言が相次いだが、蓋を開いてみれば利上げは行われなかった。
丁寧なフォワード・ガイダンスを続けてきたFRBだけに、グロス氏は「とても混乱を招く」行動といぶかしむ。
しかし、実際のところ、FOMC内でも判断は分かれたようだ。
3名のメンバーが反対票を投じるなど、利上げへの意欲は低くない。
一方で、2016年末のFF金利予想は従前の0.9%から0.6%へと、利上げ1回分引き下げている。
このドット・プロットの引き下げが金融界の災いを大きくする。

「債券市場は、長期のFF金利の予想を引き下げ、結果、長期利回りは短期利回りとの比較でフラット化した。
日銀の『総括的な検証』と比べてとても困惑する話だ。」

金融市場の機能不全を解消するためイールド・カーブのスティープ化を主張してきたグロス氏。
日銀の「総括的な検証」ではイールド・カーブのフラット化への反省が述べられ、長期金利ターゲットによるスティープ化が盛り込まれた。
しかし、FOMCの方はとりあえずフラット化への逆戻りになってしまった。

「FRBは経済データにしたがって判断すると言っている。
実際はそうではなく、金融市場にしたがって判断しているだけだ。
いずれにせよ、FRBは苦境に立たされている。」

FRBの用いる経済モデルを信用しないグロス氏には、政策のスタンスがFRBの主観で左右に振れているように見えるのだろう。
グロス氏は、会見が予定されていない11月FOMCで利上げが決定される可能性を排除していない。