ビル・グロス:トランプは企業収益・PERの低下要因に

ビル・グロス

債券王ビル・グロス氏が米大統領選を待って月例書簡を公表した。
世界で吹き荒れるポピュリズムの嵐を懸念し、投資に及ぼす影響を占っている。

かつて西海岸でPIMCOを創業したグロス氏は債券投資家らしくタカ派だが、西海岸らしく進歩主義的だ。
例えば、共和党は減税や海外収益持ち帰りの優遇を行えば経済が改善するというが、根拠のない大企業優遇にすぎないという。

  • 減税: 米国の法人税率が高いとの主張はまやかしで、大企業50社の実効税率は24%と世界で最も低い部類。
  • 海外収益の持ち帰り: 2004年に同様の優遇措置を行った際、企業の投資に目立った増加は見られなかった。
    ほとんどは自社株買いと配当に回り、結局うべかりし税収を企業(その株主)に与えるだけに終わった。

では、クリントン勝利なら状況は変わったのか。
グロス氏はNoだという。
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「クリントンの民主党もほとんどの共和党も、賃金より市場を優遇する現状維持の企業を代表している。
メイン・ストリートではなくウォール・ストリートの代表者なのだ。」

こうした政治の下、中間層以下が割を食うかぎり、世界のポピュリズムはやまないとグロス氏は予想する。

「GDPにおける労働者への分配シェアの下落傾向が反転し、資本シェアがピーク・アウトしない限り、この先ほぼすべての選挙において世界中のポピュリストたちはエスタブリッシュメントの政党を拒絶するだろう。」

グロス氏は、ポピュリズムの政治が成長を阻害する政策を選択するという。
貿易、移民、減税などだ。
これら政策が経済成長を押し上げることなどないと言い切り、米国は誤った方向に歩み出してしまったと嘆く。

「投資家は注意しないといけない。
減税がもたらす財政悪化は金利とインフレを上昇させる。
これは、企業収益とPERを引き下げる可能性がある。」

グロス氏は、期待先行の市場展開に水を差す。
トランプ政権の政策で上昇相場が訪れるとの市場の期待感を打ち砕いた。

「トランプのブル相場など近づいていない。
グローバルに分散して3-5%のリターンで満足することだ。」