バーナンキ:マイナス金利除外は早計

ベン・バーナンキ

ベン・バーナンキFRB前議長が自身のブログで、米国で待望論の高まるリフレ政策について比較している。
ローレンス・サマーズ氏らが主張する物価目標の引き上げ、日欧が採用し議論を呼んでいるマイナス金利政策である。

バーナンキ氏は物価目標引上げとマイナス金利政策を4つの観点(実行の難易度、コスト・副作用、分配効果、政治リスク)から比較している。
以前マイナス金利の問題点を指摘した同氏だが、マイナス金利は明らかに劣るわけでないばかりか、いくつかの点で優れていると書いている。

実行の難易度

バーナンキ氏は、マイナス金利の実行は容易としたが、物価目標引上げは容易ではないと指摘する。
物価目標引上げは、市場のインフレ期待を損なわない形で行わなければならないからだ。
バーナンキ氏は、日本で「インフレ期待がゆっくりあるいは不十分にしか目標変更に反応しなかった」例を挙げる。
中央銀行が物価目標を実現できないと市場が受け取れば、インフレ期待は十分に生まれず、期待に働きかけるアプローチは無力化してしまう。
まさに今、日銀が直面している問題だ。

コスト・副作用

両方にコスト・副作用があると列挙した上で、バーナンキ氏は、デメリットが及ぶ期間を比較している。
マイナス金利は、マイナス金利を実施している期間だけで済むのに対し、物価目標を引き上げれば影響が永遠に続くという。

「物価目標を変えることはご都合主義ととられるリスクがあり、インフレ期待が不安定になりかねない。
インフレ期待が固定されないと、インフレをコントロールするのが難しくなり、雇用の変動を抑制するためにFRBが金融政策を用いる機会を少なくする。」

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