バイロン・ウィーンの強気?シナリオ

バイロン・ウィーン

Blackstone Advisory PartnersのByron R. Wien氏が得意の強気予想を披露している。
ただし、今回は本人も半分以上疑いをもった強気ということのようだ。

ウィーン氏が、不透明感を増す大統領選を前に、得意の強気予想を展開している。
ウィーン氏自身「現在が趨勢的停滞であり、バリュエーションが高く企業収益が期待どおりにならないと信じている」としているのだが、それでも強気予想のシナリオは成立しうるのだという。

「ヒラリー・クリントンが大勝する。
クリントンの公約の筆頭はインフレ投資だ。
クリントンがポール・ライアンを説得し、共和党支配の下院で道路・橋・空港・トンネルを更新する野心的な建設案を通過させる。」

これが引き金となり、様々な側面で望ましい効果が波及するという:

  • インフラ投資が雇用を創出、消費支出を改善
  • ガソリン価格が急騰、インフレは2%超に上昇、企業が価格決定力を回復
  • FRBが利上げを開始、引退世帯の金利収入が増える
  • エネルギー産業が回復、設備投資を始め、雇用を創出
  • 米国各地で最低賃金が引き上げ
  • 実質成長率は2%超、企業収益が上昇を始め、株価上昇を正当化

この説明は、ファンダメンタルズが改善することで現状の高いバリュエーションを正当化するというシナリオだ。
高いバリュエーションの正当化の方法について、ウィーン氏は別の3つのシナリオを用意している。

超低金利シナリオ
「現在の市場を割高と指し示すような過去の株価倍率は参考にならないと主張することもできる。
過去の周期では、金利は(現在より)はるかに高かったからだ。
現在の利回りでは、株はEPSの25-30倍で売られるはずだ。」

需給シナリオ
「公開市場ではこの数年、株式ミューチュアル・ファンドが売られ、債券ファンドが買われてきた。
ヘッジ・ファンドも過去の水準と比べて株式へのエクスポージャーを低くしている。
ロング・オンリーの投資家でさえ用心深い。
この後ろ向きな市場心理は、一般論としてチャンスを生み出す。」

「異常なし」シナリオ
「もう一つのプラス要因は、現在88か月目の景気回復を迎えているにもかかわらず、不況の兆しが見えていないことだ。
逆イールド・カーブ、投資家の熱狂、敵対的なFRB、過剰在庫は存在しない。」

果たして、こうした楽観予想はどの程度の確からしさがあるのだろうか。

「優れたエコノミストの何人かが70%の確率で2017年に不況が起こると言っている。
私は2017年まで強気相場が続く確率を35%と予想している。」

なるほど楽観の分はあまりよろしくないようだ。
ウィーン氏は主なリスク要因として

  • 企業収益が期待はずれにおわる
  • 金融政策が予想以上に引き締められる

などを挙げている。