ハロルド・ジェームズ:独裁的で国家主義的なリーダー

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プリンストン大学のHarold James教授が、世界で吹き荒れるポピュリズムの嵐を封じ込めるよう唱えている。
また、大統領選後のドル高について、リスク・オフのドル買いが主要因であると指摘している。

ドル高は米大統領選がもたらしたリスク・オフ

ジェームズ教授はProject Syndicateへの寄稿で、ポピュリズムが世界中に伝染しかねないことに強い懸念を示している。
衆愚政治としてのポピュリズムが望ましくないことは多くの人が賛成するところだろう。
ここでは、ジェームズ教授の文章の端々から垣間見える海外の目を感じてみたい。
教授は、英国で教育を受け米大学で教鞭をとっており、ドイツ・欧州の経済・歴史とグローバリゼーションの専門家だ。

ジェームズ教授は、世界中でポピュリズムが台頭する可能性を認めるが、米国だけはその悪影響を受けにくいと指摘している。
歴史的に、不確実性のある時期に世界のセーフ・ヘーブンとして機能しているからだ。

「(なんとかく米国から始まった)2008年の金融危機後、セーフ・ヘーブン効果が資本流入増大とともにドル高をもたらした。
それは、トランプ勝利以降の数週間についても言えることだ。」

安倍首相は時間を無駄にしていない

興味深いのは後半部分。
大統領選挙後のドル高・株高について、市場の大勢の受け止めは、トランプ氏の財政政策等を好感したためというものだった。
しかし、ジェームズ教授の見方はニュアンスが違う。
グローバルなリスク・オフが起こっており、米国に流入した資金が米資産クラスの一部を押し上げているとの見方のようだ。
こうした米国の特異性から、米国のポピュリズムはすぐには破綻をきたさないという。

「このことが、トランプを同士かつ模範と見る独裁的で国家主義的なリーダーたちの目には魅力的に映る。
日本の安倍晋三首相は、トランプの政策に参加したことで時間を無駄にしてはいない。」

(次ページ: 日本はとうにポピュリズム政権)