スティグリッツ:パナマ政府にかかる圧力

ジョゼフ・スティグリッツ

ジョゼフ・スティグリッツ教授が、パナマ政府が設置した委員会の委員を辞任した。
会計システム透明化のために設置された委員会だが、皮肉にも委員会自体が透明でなかったようだ。

この委員会は、4月に公表されたいわゆるパナマ文書に関してパナマ政府が設置したもの。
法律事務所Mossack Fonsecaの内部資料は、さまざまな権力者・富豪の隠し財産を暴いた。
スティグリッツ教授はパナマ政府から招かれ、対策委員会のメンバーとなったが、政府は開かれた捜査に協力的でなかったという。
教授とスイス人委員は、委員会報告の公表をパナマ政府が拒んだことに抗議し委員を辞任したとReutersに明かした。

「もっと政府が本気だと思っていたが、そうじゃなかった。
驚くほど、政府は委員会を妨害しようとした。」

これに対しパナマ政府は、委員会は独立性を保って運営されており、スティグリッツ教授らの辞任は内部での意見の相違によるものと説明し、2人の辞任を残念と声明した。
実際はどうだったのか。

今回辞任した2人は、6月には委員会には発見した事実をすべて公表するというコンセンサスがあったと語っている。
ところが、先週届いたパナマ政府の書簡でそれが覆された。
政府に対しパナマ文書の当事者から圧力がかかったのだろうと、スティグリッツ教授は推測する。

委員会は7名で構成され、うち3名を海外から招いた。
残り5名のうち1名が外国人だ。
5名のうち4名がパナマ人となった委員会は、予定通り作業を継続する。

スティグリッツ教授とともに辞任したMark Pieth氏はバーゼル大学の刑法の教授。
反腐敗の専門家だ。
Pieth教授はパナマ文書を精査し、理論的に想像されていた犯罪が実際に起こっているさまを確認したという。
脱税や資金洗浄だけでなく、幼児売春組織の証拠まで含まれていたのだという。