スティグリッツ:トランプは不可

ジョゼフ・スティグリッツ

ジョゼフ・スティグリッツ教授が、ドナルド・トランプ米大統領選共和党候補の経済政策について通信簿をつけている。
教授は、トランプ氏に経済学の知識がないことを指摘、初級クラスの成績として「不可」を与えた。

トランプ氏は、中国からの輸入に関税を課すよう主張している。
スティグリッツ教授は、仮に関税を課せば2つのことが起こると警告する。

  • 安価な中国製品に依存する米労働者の生活水準がすぐさま低下する。
    中国製品を締め出しても、その産業が米国に戻ってくる可能性は極めて低い。
  • 中国はWTOの一員として米国に対し報復的措置をとる権利があり、貿易戦争に発展する。
    結果、米国は得られるより多くの雇用を失う。

そもそも、外国が米国に安売りしているというトランプ氏の主張が誤りだと教授は言う。
ここでも、教授は注意すべき2つのことを指摘している。

  • 「貿易は比較優位に基づいて行われる。
    米国が比較優位を失った理由の一端は、米国が製造業に関する優れた政策を持たないからだ。」
  • 「米国は製品を買い、中国に対して貿易赤字があるかもしれない。
    しかし、米国は財をどこかに売っている。
    双方向ではない」(が、全体でみればつり合っている。)

こう論破すると、スティグリッツ教授はトランプ氏に通信簿をつけた。
初級経済学の成績は「F」だそうだ。
「彼は経済学がよくわかっていない」とダメ押ししている。

スティグリッツ教授はクリントン候補の経済顧問を務めているから、話は半分に聞くぐらいがいいだろう。
世界には不公正な貿易が満ち満ちている。
だからこそ、自由貿易が望まれる。

スティグリッツ教授は、本当に大きなトランプ・リスクについて言及している。

「みんな、どれだけトランプ氏が既存のルールや民主主義のプロセスの制約を受けるか話している。
ここまで主流からかけ離れた人がその立場になるのは初めてだ。
正直なところ、誰もわからない。」

この不確実性こそ、トランプ氏勝利の最大のリスクなのだろう。