スティグリッツ:アップル追徴は公正な警告

ジョゼフ・スティグリッツ

EUは先月、Appleへの130億ユーロ(約1.5兆円)の追徴課税をアイルランド政府に命じた。
ジョゼフ・スティグリッツ教授は、この判断を妥当なものと評価している。

スティグリッツ教授は、今回のEUの裁定が「公正な警告」として働くだろうという。

「根底にある点は、アップルが明確に租税回避を試み、それが不誠実な手段でなされたことだ。
アイルランド政府を共犯にして、アップルが儲けたお金、利益、数十億ドルの利益が、サイバースペースに登記され納税をしなかったアイルランド企業から生じたものと装った。
見た人は誰もがこれが計略であり、租税回避・脱税などを意図したものと言う。」

EUでは税制は各国が制定する。
アイルランドの法人税率は12.5%と低いが、アップルは「違法な税制優遇」を受けていたという。
2003年には欧州での利益のわずか1%、2014年は0.005%(誤りではない!)の税率で済んでいたという。

雇用創出のための優遇措置はどこまで許されるのか。
この問題は、何もアイルランドだけの問題ではない。
仮に優遇措置によって雇用が創出され、政策コストを超える税収が得られたとしても、それは地域エゴに近い。
世界のどこかにうべかりし雇用を失った国があるはずだ。
結果、系全体の雇用は不変、政策コストだけが残り、全体では悪化が進む。
まさに底辺への競争である。

この裁定に対し、アイルランド政府もアップルも対抗する姿勢を見せている。
特に、アップルのティム・クックCEOは、欧州での投資・雇用を引き合いに出し非難した。
スティグリッツ教授は、こうしたアップルの牽制球を「まったく無責任」と批判する。
EUに、底辺への競争を防ぐために、加盟国の税率を調和のとれたものとするよう求めている。
商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。お買い物される際には、必ず商品ページの情報を確認いただきますようお願いいたします。また商品ページが削除された場合は、「最新の情報が表示できませんでした」と表示されます。
「欧州が一つの政治主体として成立するには、欧州各国が他国を害するような行動をとらないことが必要だ。
アイルランドがやっていたのは、他国を害することだった。」

自由貿易のための枠組みとは難しい。
保護主義なら、ルール違反は制裁関税で対処すればいい。
中途半端な自由貿易は、そうした直接的な措置を遠のけてしまっている。