ジム・ロジャーズ:50-75%の下落もありうる

ジム・ロジャーズ

昨日紹介したジム・ロジャーズ氏の書簡の続報。
ロジャーズ氏は、株式市場の50-75%の下落もありうると予想している。

ロジャーズ氏は、Brexitが相場の転換点になりうるという。
なぜなら、Brexitは各国の中央銀行に緩和強化の口実を与え、それが目先の株高を生むだろうからだ。
危機の発生を心配するロジャーズ氏からすれば、緩和強化による株高とはリスクを大きくする施策でしかない。

ロジャーズ氏は、現在の経済を「不思議な経済」と呼ぶ。
景気は悪くないように見えても、ほとんどの市場で株が下がったりする。
株価指数が横ばいでも、中身をみるとほとんどの株が下がっていたりする。
企業収益が悪化し不況入りの可能性が高まっても、株価平均は上がっている。
こうした不思議な挙動の背景には言うまでもなく金融政策(量的緩和)が株価を押し上げてきたという現実がある。

いつ来るかは予想できなくても、危機はやってくるとロジャーズ氏は言う。
そして、状況は以前より悪い。

  • そもそも株式市場が金融政策によって支えられている。
  • リーマン危機は債務過多が原因だったが、債務はそれ以後も増加している。
  • 今危機が起こっても、FRBには利下げの余地がほとんどない。
  • FRBも何をやっているか理解しておらず、この壮大な妄想実験の結果が近づいている。

リーマン危機はよく《100年に1度の危機》と呼ばれた。
その原因であるレバレッジは、経済主体こそ違えど規模を大きくして温存されている。
ただでさえ脆弱なのに、金融政策で目先を取りくつろったおかげで、量的緩和の副作用というリスクまで背負ってしまった。
ロジャーズ氏が、次の危機を「人生の中で最大の危機」と考えるのはこうしたところからだろう。

「過去15年の間に2度、市場は50%の下げを経験した。
3度目がないと言えるだろうか。
もしも50%下げるとしたら、なぜ75%がないと言えるだろう。
そうなりうるし、最終的にはそうなるだろう。」

一方、ロジャーズ氏は、短期的には量的緩和の株価押し上げ効果を認めている。

「しばらくは、量的緩和のおかげで株高が続く。
そして、中央銀行は、それを維持するためにさらに自暴自棄な手段を講じるだろう。」

ロジャーズ氏が「自暴自棄な手段」の筆頭に挙げたのが、日本銀行によるETF購入と国債買入れであった。