ジム・ロジャーズ:1920年代終わりに似ている

ジム・ロジャーズ

冒険投資家ジム・ロジャーズ氏がBarron’sのインタビューに応じている。
その前半部分、米経済についての発言を紹介する。

ロジャーズ氏は、S&P 500指数などの株価平均に目をとらわれないよう警告している。
指数が上がっていても、上昇を主導するのはごく一部の銘柄であり、残りの多くの銘柄がすでに下落に転じているからだ。
ロジャーズ氏は世界的なマネー・フローについてこう推測する。

「今起こっているのは、金利や配当を稼げるのが米国だけになって、マネーがどんどん米国に集まり、一部の銘柄に殺到しているということではないか。」

こうした相場観から、ロジャーズ氏は米ドルをロング、米国株をショートしている。
米ドルは今後も上昇するだろうという。
ロジャーズ氏は、ドル高は自身のポートフォリオにとっては朗報だが、世界をさらに歪めてしまわないか心配だという。

「(米ドルは)歴史的に安全資産だったが、今後は違う。
過大評価され始めており、世界が混乱の度を強めればバブルになりかねない。」

世界の投資家が歴史的な超低金利のため投資難に直面している。
選択肢が他にないため米ドルが買われ、バブルになるという予想である。
仮にバブルになれば、ロジャーズ氏はロングしている米ドルをうまく売り抜けたいと語っている。

ロジャーズ氏は米大統領選についても言及している。
今回の大統領選は両候補ともに嫌われ者である稀有な例だと評した。
どちらかと言えば、トランプ候補勝利の方が大きな災難になるだろうという。

「トランプ候補が勝利して、発言通りのこと(賃金・貿易戦争)をやったら、みんなにとって悪い結果になる。
貿易戦争は破綻をもたらし、破綻はしばしば戦争をもたらす。
そうなるなら、金をたくさん持っていた方がいい。」

クリントン候補については、国務長官時代の中東外交の失敗を指摘し、「何もわかっていない」と批判した。
トランプ候補勝利の場合との差は破綻までの時間の差でしかないとしている。

ロジャーズ氏は、世界的なポピュリズムの高まりについて、おかしな政治家を輩出した1920年代との類似性を指摘した。
当時も、以前の金融市場の混乱の名残が新たな混乱を引き起こしていたという。

「1920年代終わり、利回りを求めて米国にマネーが流入した。
FRBが利上げするとさらに米国にマネーが流れ込み、これが巨大な市場バブルを生んだ。
崩壊後の話はよく知られているように、不況と戦争だ。」

ロジャーズ氏には、この時代と現在がだぶって見えている。
登場人物も似ており、金融市場の混乱ぶりも似ているという。

「1927年、米経済はピークアウトしたが、株式市場は上昇を続けていた。
一方で、その人為的なマネー・フローのために、米国以外では株式市場は下げていた。」

ロジャーズ氏は、歴史が繰り返すとするなら、ニュージーランドやオーストラリアの農地でも買った方がいいと勧めている。
つまり、金融市場には買えるものがないということだ。