サマーズ:米不況入りなら日本化へ

ローレンス・サマーズ

ローレンス・サマーズ元財務長官(現ハーバード大学教授)が4つの論点からFRB利上げに反対している。
米経済が不況入りすれば日本化する危険があり、そうなれば立ち直るのが極めて困難になるという。

バーナンキ前FRB議長の後任選びの際、イエレン現議長に対する最有力対抗馬とささやかれたのがサマーズ氏だった。
そのサマーズ氏が自身のブログで、FRBに4つの注文をつけている。
FRBの12月利上げが市場で織り込まれつつある中、米国ではまだまだハト派の声も大きいことが感じられる。

  • FRBは、中立金利がゼロ近傍にあり、予見可能な将来において2%より低いままであることを認識すべき。
    中立金利が低いのだから、政策金利もそれにあわせて低位にとどめておくべきとの主張だ。
  • FRBは、少なくとも心の中で、自ら信認を損なってきたことを認識すべき。
    繰り返し、市場期待よりはるかに引き締め的な見通しに固執し、市場から無視され、市場の方が正しいことが判明するにつれ、FRBは信認を失ってきたとの主張。
    最近サマーズ氏がリップ・サービスしたどこぞの中央銀行に比べればFRBはましのように思えるが・・・
  • FRBは、物価目標が上下に対称なものであるとすること。
    好況時に2%にタッチすればいいというものではなく、いいときは2%超に悪いときはそれよりやや下がるというふうに考えろとの主張。
  • リスクが上下に非対称であることを明示すべき。
    経済が不況入りすれば、日本化リスクが現実のものとなり、デフレ退治が極めて難しくなるとの主張。

論理的に完成されたハト派のロジックだ。
あとは論理による議論ではなく、感じ方の議論となるのだろう。
サマーズ氏は、金融政策をドライブに例え、FRBに利上げを思いとどまるよう勧めている。

「ブレーキを踏むことで車を止めないようにするというのは苦しい議論だ。
さしぜまった危険がやってくるまでは足をブレーキから外しておいた方がはるかにいい。」