ゴールドマン:長期調達と金利上昇リスク

米ドル

ゴールドマン・サックスは、金利上昇が世界の投資家に巨額の損失を及ぼしかねないと警告している。
債務者が低利・長期での資金調達に走っており、それが投資家側のリスクを大きくしているという。

ゴールドマンが金利上昇のリスクを警告しているとBloombergが伝えている。
長期資産の利回りが上昇すれば、世界中で投資家が苦境に陥るだろうとしている。

「1%の金利上昇は、Bloomberg Barclays米国総合指数に1.1兆ドルの損失を与える。」

日欧より先にゼロ金利政策の出口をうかがう米国では、債券をはじめとする資産価格へ金利上昇が与える悪影響が現実のものとなっている。
債券のデュレーションが長いほど、金利上昇に対する価格下落幅は大きくなる。
こうした損失はさらなる売りを誘うため、ゴールドマンは「到底テール・リスク・シナリオとは呼べない」と指摘する。

一方で、資金を調達する側の行動は対照的だ。
金利上昇の兆しを嗅ぎ取れば、調達コストが安いうちの資金調達に走るのは当たり前。
しかも、なるべく長期での調達を望む。
そうした調達は借り手にとっては有利だが、貸し手からすれば、先述のとおり金利上昇に弱い。
本来ならあるバランスに落ち着くはずだが、日欧の量的緩和がそのバランスを傾けている。
世界の債券の年限は2009年の倍以上、1994年の3倍にあるといい、ゴールドマンは、これが金利上昇のリスクを大きくしているという。

「金利市場は売られ続ける可能性があり、金利変動リスクにさらされる想定元本はかつてないほど大きい。」

ただし、リスクの担い手にはわずかな慰めもあるという。

「デュレーション・リスクは現在広く行きわたっている。
特に世界の中央銀行やソブリン・ウェルス・ファンドは、そうしたショックを比較的吸収できるだろう。」

こうした理由から、ゴールドマンは、金利上昇が必ずしも金融システムを揺るがすとは考えていない。
SWFはともかく、中央銀行の損失は別の意味で問題なのだが、システミック・リスクとは別のリスクなのかもしれない。