ゴールドマン:総括的検証で、予想を円高方向へ修正

Goldman-Sachs

米ゴールドマン・サックスが20-21日の日銀の「総括的な検証」の内容と為替相場への影響を予想している。
ドル高予想で知られるゴールドマンだが、日銀の側の事情から今回はドル円予想を円高方向に修正している。

ゴールドマンのマクロ市場戦略チームはeFX Newsへの寄稿で、日銀金融政策決定会合の結果は次の2つのうちの1つとなる可能性が高いと書いている。

  • 景気刺激策強化の観点からの政策スタンス再評価
    物価目標を達成できていない現状から考えれば、理にかなった話。
  • 不評のマイナス金利のPR活動
    この場合、政策はほとんど変わらず、既存の手段に理解を得つつ、マイナス金利などのスケジュールを設定する。

ゴールドマンは「楽観視はしていない」という。

「日銀の関心は、物価目標達成のために刺激策を追加するのではなく、既存の政策スタンスを持続可能にする方に移りつつある。」

ここで、ゴールドマンが追加すべき刺激策として念頭に置いているのは、金融・財政政策の協調的拡大、すなわち、マネタイゼーション、さらには、ヘリコプター・マネーというように読みがちだ。
実際、多くの外国勢は日本に新たな手法の導入を求めている。
今までやったことを多少強めに続けても四半世紀以上にわたる停滞からは脱出できないというわけだ。
しかし、彼らは自身の母国やホーム・マーケットでは決してそうした主張をしない。
実は、ゴールドマンは、日本にこうしたやり方を求めているのではない。

興味深いのは、金融機関から期待する声が出ている、イールド・カーブのスティープ化についてである。
ゴールドマンはこれを特段のリスクと見ているのだ。

「そうした動きは、日銀の目標に対する市場の混乱をさらに大きくし、年初来悪化している長期インフレ期待をさらに悪化させることになる。」

金融安定のために、物価目標達成に大切な長期金利を犠牲にすべきでないというのである。

ゴールドマンはドル円予想を従来予想から円高に修正している。

ホライズン 今回 前回
3か月 108 115
6か月 110 120
12か月 115 125

3か月の108円は、日銀がマイナス金利深掘りを選択するという予想を前提にしている。
12か月予想を円高に修正したのは、日銀の刺激策がマイナス金利の逆効果を打ち消すことができないと見ているからだ。

ゴールドマンは、日銀が検討すべき新たな「ラジカルな手段」として、利回りキャップや価格水準ターゲティングを挙げている。
同時に、それらが日銀の検討対象にもなっていないだろうと推測している。
ゴールドマンが言っているのは、事実上の長期金利ターゲティングのことだろう。
日銀が最適と考えるイールド・カーブを想定し、それが実現するまでオペを行う。
売買の量を定めない金融調整である。