グリーンスパン:スタグフレーションと金利上昇

アラン・グリーンスパン

アラン・グリーンスパン元FRB議長が、デフレ脱却にともなうスタグフレーションのリスクに言及した。
仮に実現してしまうと、金利は上昇せざるをえないと認めた。

グリーンスパン氏は、先進各国で生産性の伸びが低調で、経済成長も低位にとどまっていると指摘する。
不確実性と低迷によって、生産性が低くとめおかれているといい、経済は「不況」ではないが「停滞の状態にある」と語った。

グリーンスパン氏は、米経済がスタグフレーションに向かうことを懸念している。
停滞とインフレが共存する状態だ。
すでに停滞が実現しているから、各国中央銀行が望むインフレの到来によってスタグフレーションは実現してしまう。

「先行きが見通しにくいが、私が一番懸念するのはスタグフレーションだ。
現在インフレの初期の兆候が見られ、デフレの問題が解消するにしたがい、立ち上がっていく。」

リフレの成功とともに、世界はスタグフレーションを苦しむようになるのかもしれない。
そうなれば、金融市場では何が起こるのか。
スタグフレーションの金融市場へのインプリケーションを問われ、グリーンスパン氏はいやいやながら答えた。

「スタグフレーションとなれば、金利が1-2%ということはありえない。」

金利には長期トレンドがないと指摘し、1694年以降のBOEのディスカウント・レートを引き合いに出した。

「この金利は数十年、数百年の間ほぼ5-10%のレンジに収まっている。
これは、人類の選好が変化していないことを示唆している。」

近年、低金利が長く続いたことで、トレンドに変化があったとする議論は少なくない。
モハメド・エラリアン/ビル・グロスのNew Normal、ローレンス・サマーズの趨勢的停滞論、ベン・バーナンキの貯蓄余剰、いずれも過去と異なる未来がやってきた・くるとの含意がある。
これに対して、グリーンスパン氏は人類の選好は不変と考えている。
こうした考えからすれば、最近の債券市場は当然のことに危うく見える。

「私たちは、株価指数のPERが高くなると神経質になる。
債券利回りの場合も神経質になるべきだ。」