グランサムの「大統領サイクル」が崩れたワケ

アラン・グリーンスパン

大手投資会社GMOの共同創業者Jeremy Grantham氏が、かつて存在したアノマリー「大統領サイクル」が消失したとし、その理由を解説した。
背景には、グリーンスパン以降のFRBの行動パターンの変化があるのだという。

グランサム氏は、大統領選挙と米市場の間のアノマリー「大統領サイクル」でも有名。
大統領の4年の任期のうち3年目の株式市場のリターンが、他の3年を合わせたリターンより大きいという経験則だ。
グランサム氏はFTに対し、その法則がFRB金融政策によって失われたと語った。
そもそも、どうしてこうしたアノーマリーが起こったのか、グランサム氏は中央銀行の生態を語る。

「大統領サイクルはFRB次第だ。
FRBはまったく悪意なく政権与党を助けようと決定を行う。」

選挙を控えた4年目に政権与党が有利になるために、4年目に効果が発現するよう、3年目に刺激策が行われる。
結果、先行指標である株価が3年目に上昇する、といった具合だ。
グランサム氏は1932年からオバマ政権開始までの月間株式リターンを調査

  • 1・2・4年目: 0.2%
  • 3年目: 0.75-2.50%

という違いを見出した。
このアノマリーが今、崩れたという。
何がアノマリーを突き崩したのか。
グランサム氏は、この経験則が「FRBが経済・金融で支配的な力を得て、巨大な権力を持つ前の時代」の法則だと語る。

「FRBは資産効果を得たいがために、金利を押し下げ資産価格を押し上げるための言い訳をいつも探している。
単純な大統領サイクルに賭けるほど私はもうFRBを信頼していない。」

転換点となったのは、アラン・グリーンスパン氏がFRB議長になった時だったとグランサム氏は言う。
グリーンスパン議長は待つことなく、1・2年目にも刺激策を実施した。
グリーンスパン・プットの時代の到来だ。

特にオバマ政権下ではこのアノーマリーが当てはまったとはいいがたい。
欧州金融危機やFRBのテイパリング・利上げが影響したからだ。
これらは特殊要因とも言えなくないが、事実は事実だ。

グランサム氏は、オバマ大統領2期目の2年目にあたる2014年、大統領選挙にかけて株が上がり、選挙後バブル崩壊の可能性があると警告していた。
今年7月には株式にバブルの兆候は見られないと語っている。
確かに3年目の春を信じていなかった様子がわかる。