ガンドラック:銀行システムを破壊して経済は救えない

ジェフリー・ガンドラック

新債券王ことDoubleLine Capitalのジェフリー・ガンドラック氏が、超低金利を放置する金融政策を批判した。
世間から待望されている財政政策についても、財政悪化を合わせて考えるべきとくぎを刺した。

ガンドラック氏が25日に講演した様子をInvestment Newsが伝えている。
ガンドラック氏は、財政拡大に賛成しないとしながら、(金融政策から)「財政刺激策にバトンが渡されるのがほぼ確実になりつつある」と話した。
金融政策が主役の座を降りるとする一方で、「今や世界中の国債の3/4がマイナス利回りになっており、この傾向は続く」と予想。
容易に金利が正常化しないとの見通しを語った。

「これが銀行システムを阻害した。
銀行システムを破壊して経済を救うことなどできない。
マイナス金利を長く放置すれば、銀行システムを破壊する。」

ガンドラック氏は、超低金利政策だけでなくFRBのフォワード・ガイダンスについても批判する。
下方修正を繰り返したドット・チャートについて

「FRBはドット・チャートなど始めなければよかったと思っているだろう。
ドット・チャートはFRBの信頼性を完全に破壊した。
あまりにも何度も『オオカミが来た』と叫び過ぎたんだ。」

ガンドラック氏はハト派色を強めるイエレンFRB議長を批判、FRBの金融政策は有効と思えないと酷評した。

タカ派になりがちな債券投資家らしく、ガンドラック氏は財政政策にも批判的だ。
財政出動を「穴を掘って穴を埋める」ようなものと皮肉る。
しかし、米大統領選の候補がいずれもインフラ投資等に前向きなだけに財政拡大は避けがたい情勢だ。
ガンドラック氏は、そのつけについて懸念を強める。

「メディケア、社会保障、オバマケアのコスト上昇が静かに進んでいる。
もうだれも財政赤字について語らない。
しかし、財政赤字はQE1からQE3の間に数千億ドルも増え、ゆうに1.5兆ドルに届きそうだ。」

かつてトランプ候補勝利を予想していたガンドラック氏は、状況が不利と見て皮肉交じりに予想の背景を語った。
トランプ候補は、アンコンストレインド債券ファンド(ファンド・マネージャーの裁量の幅が大きい債券ファンド)に似ているという。

「どれも悪そうに見えたら、自分が理解できないファンドに投資することだ。
トランプ候補はこれと同じ。
一体何をやるか予想もつかない。」