エラリアン:金融政策以外にも目を向けろ

モハメド・エラリアン

独Allianz首席経済アドバイザーMohamed El-Erian氏が、金融政策の効果逓減と副作用増大を警告している。
金融政策の限界が感じられる中、今後の経済動向を占うには金融政策以外の政策手段に注目すべきという。(浜町SCI)

米雇用統計やBrexitでいったん大きく後退したFRB利上げ観測だが、最近、再び息を吹き返してきた。
エラリアン氏は、Bloombergに対し9月利上げのための3条件を語った:

  • 5月の米雇用統計が異常値だったと言えるようになること
  • Brexitの影響が拭われること
  • 米経済がわずかでも上向きと見られること

年内利上げ観測が再浮上する理由として、エラリアン氏は、低金利政策が思わぬ「collateral damage」(巻き添え被害)を生みかねないためと説明する。

「構造的な逆風があれば大きいほど、中央銀行による景気刺激効果は小さくなる。
皮肉なことだが、これがFRB内で広がりつつある認識だ。」

効果が逓減し副作用が増大すると見るなら、超低金利を継続する意義は薄れる。
結果、主役は金融政策以外に代わるべきというのがエラリアン氏の見方だ。

「米国は、景気循環から来る問題と同じだけ構造的な問題を抱えている。
高成長・金融安定への答はFRBではなく、他の政策決定者の手中にある。」

エラリアン氏は、2017年の不況入りの確率を米国30%、英国50%と予想している。
来年の不況入り回避に金融政策があまり有効でないとすれば、残る手段は財政政策だろう。

金融政策への過度の依存を解けという主張は、エコノミストとしての正論だろう。
しかし、市場参加者からすれば、あまり胸を打たないかもしれない。
金融政策は本質的要素でなくなりつつあるかもしれないが、それでも相場は動くし、それが市場参加者の収益機会になる。
エラリアン氏も、金融政策に対する市場の反応とその経済への跳ね返りの重要性を認めている。
しかし、その市場は、もっと本質的な経済・市場の変容についてあまりにも無関心だと嘆いている。