エラリアン:資産価格のデカップリング

モハメド・エラリアン

独Allianz首席経済アドバイザーMohamed El-Erian氏が、資産価格とファンダメンタルズの乖離を警告した。
ファンダメンタルズに改善がなければ、資産価格がファンダメンタルズにサヤ寄せすることで急落が起こりかねないと語った。

エラリアン氏は16日、Bloombergで市場のデカップリング(乖離)を指摘した。
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「資産価格は企業や経済のファンダメンタルズからデカップリングした。
中央銀行はこれを意図して行った。」

エラリアン氏の言うように、資産価格がファンダメンタルズから乖離しているなら一種のバブルだ。
なぜ、中央銀行はそんなことを意図したのか。

「資産効果によって支出が増えることを狙ったが、効かなかった。
結果、資産価格は高く、ファンダメンタルズは低いままだ。」

国を問わず、資産効果やトリクルダウン効果が十分に機能しなかったとの評価が優勢だ。
エラリアン氏のかつての盟友ビル・グロス氏も、これらの考えが幻想だと言い切り、イエレンFRB議長をギャングとなじっている。
グロス氏が幻想と言い切る根拠は「過去15年間の日本、過去6年間の米国での証拠は、逆のことを示唆している」ことである。

資産価格とファンダメンタルズのデカップリングが一種のバブルであるなら、次に起こることは容易に推測できる。
エラリアン氏は

「ファンダメンタルズが改善し資産価格を正当化できなければ、市場は荒っぽく起こされることになる。」

と予想している。
現在の資産価格に割高感はないとの意見は多い。
しかし、仮に利上げによって米経済や企業業績が悪化するなら(実際、市場はそれを心配している)、ファンダメンタルズが悪化することによりデカップリングが拡大する可能性も否定できない。

では、FRBが利上げを見送れば、調整も回避できるのだろうか。

最近、米金利でもイールド・カーブがスティープ化している。
直近、2年もの金利が下がった局面でも10年もの金利が上昇した点について、かつて世界最大の債券ファンドPIMCOのCEOを務めたエラリアン氏はこう解説する。

「中央銀行がイールド・カーブをコントロールする能力について、過去に比べ投資家の信頼が低下しつつある。」

つまり、中央銀行がバブルを維持する能力が低減してきているのである。
これは、ある意味で市場の機能が正常化しつつあるとも言える。
次に起こるべきは、上がるべきもの(極めて少ない)が上がり、下がるべきものが下がることだろう。
この市場機能が働かなければ、エラリアン氏が言うように、市場は「荒っぽく起こされる」はめになる。