エラリアン:日銀は負け、負け、負け

モハメド・エラリアン

オバマ大統領直属の世界開発会議議長も務める、独Allianz首席経済アドバイザーMohamed El-Erian氏が、日銀の「総括的な検証」による政策変更を批判している。
日銀は「ルーズ・ルーズ・ルーズ状態」にあるという。

日銀は、長期金利ターゲット導入など、非伝統的金融政策を強化する道を選んだ。
しかし、エラリアン氏は、日銀が「伝統的な戒めに従うべきだった」と方針に異を唱えている。

「(長期金利ターゲットの)このプロセスにおいて、日銀は、考えられないとは言わないが、かつてはありえなかったことをやろうとしている。
直接の金融調節手段を用いることは、先進各国が繰り返し新興国に行ってきた政策推奨に違反することになる。」

日本は1970年代から30年かけて金融自由化を進めてきた。
金利の自由化はその大きな柱であった。
自由化の痛みを無駄にするかのように、日銀は公定金利制度を再開したことになる。
残念ながら、日本は金融後進国に逆戻りしたのである。

エラリアン氏は、日銀がこれまで期待されるほどの結果を出せていないと評する。
重要なのは日銀に手段が残っているか否かではなく、その政策が有効か否かであると指摘した。
そして、今回の政策変更も、1月のマイナス金利導入の二の舞になりかねないと警告している。
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日銀はもっと緩和を強化すべきとの声もあるが、エラリアン氏は、よい考えではないと切り捨てる。
コストやリスクが増大しているからだ。
エラリアン氏は、現在の日銀の状況を「ルーズ・ルーズ・ルーズ状態」と呼んでいる。
これは、2010年8月バーナンキFRB議長(当時)が「非伝統的金融政策のベネフィット・コスト・リスク方程式」と呼んだ状態と同じものだ。

  • ベネフィット: マイナス
  • コスト: 意図せざる結果を含め、増大している
  • リスク: より厳しくなっている

この評価を是とすれば、まさにいいとこなしである。
結果、エラリアン氏は、日銀が信認を失いつつあり、政治的干渉を受けやすくなっていると指摘している。

経済政策についてのエラリアン氏の主張は変わらない。
《金融政策以外の政策の動員も必要》である。
白川前総裁時代は、政府の圧力に屈することなく、過度な金融政策の実施を拒んでいた。
それが、黒田総裁になって、経済政策のほぼすべてを金融政策が担うはめになった。
しかし、金融政策はやはり打ち出の小づちではなかった。
エラリアン氏は、成長戦略/構造改革こそ重要な解であると主張している。