エラリアン:忍び寄るジャンプ条件が世界を変える

モハメド・エラリアン

独Allianz首席経済アドバイザーMohamed El-Erian氏が、金融・経済に不連続な変化が起こるかもしれないと説いている。
過去の投資の常識は役に立たなくなる可能性があるとし、バーベル・アプローチなどの投資戦略を推奨した。

忍び寄るジャンプ条件

エラリアン氏は、政治的・経済的・地政学的なリスクの高まりが、ジャンプ条件の発現確率を高めていると、Financial Timesほかに書いている。
ジャンプ条件とは、変化が滑らかに少しずつ進むのではなく、突然大きく変化するようになる条件のことをいう。
もしも起こってしまえば

  • 長く続いた経済・金融の関係が断ち切れ
  • 経済主体間の相互作用のあり方が変化し
  • 政治の異常化を助長し
  • 資産クラスの相関・バリュエーションが変化して、資本主義体制の制度・基本理念を損ないかねない

という。

恐怖指数が落ち着いている理由

さまざまなリスクが存在し、それに対応する一つの矢である金融政策の有効性に疑問符がついている。
それなのに、市場はすっかり落ち着きを取り戻したとエラリアン氏は指摘し、その様子は米恐怖指数(VIX)にあらわれていると説明する。

米恐怖指数(VIX)の推移

一見不思議にも思えるVIX指数の低下も、驚くにはあたらないと、エラリアン氏は言う。
理由は、さまざまな形での流動性の注入が続いているからだ。

  • 中央銀行の金融政策
  • 企業保有の現金が、自己株買い・M&Aで市場に再流入
  • 上げ相場の中で、投資家は「buy on dips」(下げたら買え)のパブロフの犬になっている

(次ページ: エラリアン氏の投資戦略)