アインホーン:次の見世物はマネタイゼーション

デービッド・アインホーン

Greenlight CapitalのDavid Einhorn氏が、金融政策に憤っている。
危機のための政策を止めない中央銀行を批判し、次に繰り出される奇策を占っている。

アインホーン氏が中央銀行に対する怒りを爆発させている。
金曜日に顧客に送った書簡の中で金融政策の一貫性のなさを批判した部分についてBusiness Insiderが伝えている。

「経済回復に入って7年になるが、各国中央銀行はいまだ危機の最中かのようにふるまっている。
実験的な緊急用の政策が継続されているでけでなく、それが必要または有用であるとの証拠が乏しいにもかかわらず拡大さえされている。」

片方で、危機から脱したと自らの功績を主張しながら、肝心の金融政策では危機対応をやめようとしない政策決定者の姿勢を非難したものだ。
そして、その最たるものとして、日本の長期金利ターゲットが槍玉に挙がっている。

「最近の例は日本だ。
日銀は、10年もの金利をゼロにするためなら、すべての国債をマネタイズすると公約している。」

少々センセーショナルな書き方ではあるが、長期金利ターゲットにそういうリスクがあるのは事実だ。
アインホーン氏は、中央銀行が次に繰り出すであろうまやかしを占う。
マネタイゼーションによる財政支出が各国で広まると予想している。

「トップ・エコノミストらは現在、お札を刷って財政政策に充てるアイデアを正当化しようとしている。
次に列ができる見世物は、これなのだろう。」

そうした中で、利上げを目指すFRBの姿は一見、異質に見える。
しかし、それは置かれた状況の異なる日欧との比較においてそう見えるだけなのだ。
米国と日欧では実績の数字があまりにも異なるのである。

「昨年の米失業率5%、コアCPI 2.2%を考えれば、FRBが公式の2つの使命(物価と雇用)に基づいて緊急用の金利を正当化し続けるのは難しい。」

米国は完全雇用に近いと考えられ、物価目標もほぼ達成されている。
それなのに、金融政策は一向に正常化に向かわない。
FRBのバランスシートが拡大したままなのは致し方ないとしても、利上げについても昨年末の1回のみ。
0.25%の利上げは現在にとっては重いものだが、一歩引いて考えれば無に等しい。

アインホーン氏は、FRB利上げの本当の条件を次のように推測している:

  • 市場を予想する人たちが、完全に利上げを予想する
  • 最近のS&P 500の動きが上げである
  • 海外経済・金融市場にトラブルがない
  • 潜在的に不安定化する地政学的イベント(含む海外の選挙)がない
  • シカゴ・カブスがワールド・シリーズで優勝する

カブスがワールド・シリーズで優勝したのは1907・08年の2度。
100年以上も優勝から遠ざかっている。
それ以外も、極めてハードルの高い条件が並ぶ。
上記5つの条件はAND条件だろうから、FRB利上げの目はいまだ小さいということになろう。
市場では12月利上げ予想が高まっているが、果たしてどちらの予想が当たるのだろう。