【メモ】米金利予想:少数派の意見

HSBC

世界は金利上昇に半ば期待し、半ば怯えている。
金利上昇予想がコンセンサスとなった今、あえて金利下落予想を続ける人の意見も聞いておこう。

トランプ氏勝利の翌週HSBCのSteven Major氏が公表した米長期金利見通しをBloombergが伝えている。
同氏は2017年第1四半期の米10年債利回り予想を2.5%(前回比+1.0%)に引き上げたのだが、ここまでは市場の大勢どおり。
実際、大統領選当日の8日、米10年債利回りは1.88%だったが、25日には2.36%まで上昇している。

米国債利回りと1年ものと10年ものの差 (%)

注目はその後だ。
メージャー氏は、トランプ次期大統領が政策を「結局実行できず」、現状の「トランプ・プレミアム」が剥落すると見ているのだ。
結果、メージャー氏は2017年末の同利回り予想を1.35%に据え置いている。

「ドナルド・トランプ次期大統領は選挙中たくさんの公約をしたが、詳細についてはほとんど明らかにしていない。
詳細が出てくるまで、債券利回り予想の見直しを遅延させることはできない。」

長期金利予想の短期的な引上げについて、メージャー氏はいくつかの観点を挙げる:

  • 金利先物の上昇
  • 期間プレミアムの正常化継続
  • インフレ・リスク・プレミアム

これらはまさに現在の金利上昇のキーワードだが、メージャー氏はこうした要因が金利を押し上げることで経済にマイナスに働く点も指摘する。

「利回りが短い間に上昇しすぎると金融環境が引き締まり、成長が阻害され、FRBの政策に制約を与えてしまう。
歴史的に、供給のシフトは長期的成長と金利の関係を変化させない。」

さらに、トランプ氏が唱える保護主義などのリスク要因が、米国へのリスク・オフの資金流入につながりかねないという。
流入した資金は米債券に還流すると考えられるため、2017年末の長期金利予想を据え置いたと明かす。
メージャー氏は率直に、現時点ですべてのリスクを検討しつくすことが不可能であると認め、あえてトランプノミクスのゆくえを占っている。

「我々の2017年末の予想は1.35%と極めて低いままだ。
構造的要因は引き続き成長面にあり、新政権の政策は結局失敗すると考えているためだ。」