【メモ】日本株のCAPEは高いのか?

東証アローズ

少し前の話になるが、資産価格の実証的研究で2013年ノーベル経済学賞を受賞したロバート・シラー教授が、日本株のCAPEは高いと言っていた。
少々イメージと異なるところがあり、検証しておきたい。(浜町SCI)

ある程度の期間CAPEを計算するのは容易なことではない。
ノーベル賞を取らなくて済む範囲で簡易的に計算したのが下のグラフだ。
(ここでは四半世紀遡るのがやっとだったが、シラー教授は米国株について145年のデータを集めている。)

  • 対象が東証第一部の銘柄であること
  • 少なくとも米国株については、CAPEは売買のシグナルとして利用可能なほどの予見性はないといわれていること

を留意いただきたい。

東証一部の単純株価平均、PERとCAPE

このグラフを見ると、いくつかの感慨が湧く。

日本株のPERは高かった
バブル期ならずとも、かつての日本株のPERはゆうに20-30倍を超えていた。
これはやはり高い。
米国株のベテランだったら記憶があると思うが、かつては米国の優良株のPERが10倍程度でも驚くことではなかった。
10倍が適正とは言わないし、20倍を高いとも言わない。
しかし、20倍を超えたら、心の片隅に黄色信号を灯しておくべきだろう。

CAPEにはスムージングの利点がある
CAPEとは、要するに利益を一定期間(10年間)スムージングし、さらにインフレを補正して計算するPERである。
結果、グラフはPERより滑らかになる。
PERほどの即時性はないが、逆により中長期的な傾向をとらえることができる。
PERはEPSが小さくなると発散してしまうが、CAPEにはそうした現象が見られない。

CAPEの有用性を知りたいなら、CAPE>PER となっている期間に注目するとよい。
グラフでは2つの期間:

  • 遡ることのできた1990年から1992年
  • 2004-09年

が該当している。
(なお、ITバブル期が入っていないのは、対象銘柄が東証第1部であるためであろう。)

いずれもバブル期またはその後の下落期だから、CAPEに一定の意味があることがわかる。
(重ねていうが、だからと言って投資で成功するための予見性を有するかどうかはわからない。)

(次ページ: 近時の日本株CAPE)