門間一夫氏:物価上昇は実質金利を下げ家計を蝕む

日本銀行

日銀で調査局長などを歴任した門間一夫氏が、日銀の金融政策の意図に疑問を呈している。
これ以上の実質金利低下は家計消費を押し下げ経済を悪化させるとし、日銀は政策の意図を明確に伝えるべきと語った。

「今の金利環境は家計にとって望ましくない。
実質金利低下の効果がプラスかマイナスか、判断が相当に難しい局面にきている」

門間氏はReutersのインタビューで、緩和一本やりの金融政策に疑問を呈している。
金利低下と円安の流れが輸出産業の利益拡大に寄与することは間違いない。
しかし、デフレ・ギャップがゼロ近辺にある現状では国内の仕事が大きく増えるわけではない。
一方、円安は輸入産業や家計に厳しくあたり、低金利は家計の金融所得を減じてしまう。

門間氏は、コアコアCPI上昇率が年後半にも現在の0%程度から0.5%程度に上昇する可能性を指摘する。
インフレが0.5%ポイント上昇する中でイールドカーブ・コントロール(YCC)を据え置けば、実質金利は0.5%ポイント低下することになる。
こうした実質金利の低下は個人消費に悪影響を及ぼしかねない。

不明快な政策意図

「日銀が何としても名目金利目標を据え置くのか、物価上昇に見合って緩やかに金利を引き上げ、実質金利の低下を防ぐのか、現時点でははっきりしない。」

そもそもリフレ政策とは、インフレを起こせば企業や家計が投資・消費を増やすとのロジックによるものだった。
欧米では成功したように見えるロジックだが、日本は例外だった。
日本人は増税でもインフレでも消費を絞ることで自己防衛を図ってきた。
門間氏は金融緩和の日本の家計への影響について「日銀も分析が十分にできてないだろう」と話している。

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