日本銀行

藤巻健史「出せ」 vs 岩田規久男「出さない」

Share

本日の参院財政金融委員会で、藤巻健史参院議員が日銀 岩田規久男副総裁と金融緩和の出口戦略についてやり合った。
藤巻議員が核心に迫る質問を繰り返したのに対し、参考人の岩田総裁は一貫して型通りの答弁に終始した。

「日本銀行も出口戦略についてのシミュレーションはしているが、現在2%物価目標にかなり遠い段階でそれを公表することはかえって混乱を招くということで今のところ控えている。」

まったく理解しがたい回答と言わざるをえない。
遠い話だから何も公表しないというなら、政府機関はあらゆる中長期の予想の公表をとりやめるべきなのか。
現時点でいくつかのシナリオでシミュレーションをしてそれでも大丈夫と示すのが責務のはずだ。
もしもそういう結果でないなら、現在の政策を早急に見直すべきであろう。

藤巻議員はこの回答に対し、次のように皮肉を吐き捨てている。

「FRB(テーパリングの2年ほど前に公表を始めたこと)のことを考えると、消費者物価指数2%を達成するのは2年以上先だと理解されているということなんでしょうね。」

この2年という期間がFRBの実績から出てきたことは間違いないが、もしかしたら日銀の総裁・副総裁任期があと1年ということも意識されていたのかもしれない。

財務の健全性に無頓着な副総裁

岩田副総裁は、日銀の財務の健全性についてこうも回答している。

「量的・質的金融緩和にともなう収益の振幅を平準化し、財務の健全性を確保する観点から、長期国債に関する引当金である債券取引損失引当金を拡充した。
この対応は大きな効果を持つと考えており、事前の対策・対応としては十分なものと認識している。」

債券取引損失引当金の拡充は2015年11月に決まった措置。
引き締め期に発生する債券価格下落による損失に備えるため、緩和期に発生する債券価格上昇による利益の一部を引き当てておくというものだ。
金利の入り払いのネット金額の半分を上限に積み立てることとし、平成28年度上期は同引当金残高が約2,400億円増加している。
この金額は小さくはないが、純資産+引当金の金額7.6兆円と比べると十分だろうか。

(次ページ: 飛び出す奇説の数々)