米ドル

米国債を売る外国勢

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米国債の外国投資家が、米国の政治的不透明感などから米国債を敬遠し始めたという。
この勢いが強まれば、米金利が上昇する一方で、米ドルが買われにくくなるという状況になりかねない。

マーク・ファーバー氏は最近

と言っている。
大勢がドル高を予想する中で、勇気のある発言と感じられたが、予想よりだいぶ早くそのシナリオが現実のものになりつつある。
慢性的な経常赤字を海外からの投資で賄っている米国にとってヒヤリとさせられる話だ。
仮に売りの勢いが加速すれば、米金利が上昇するのにドルが下落するという動きにつながりかねない。
程度が大きくなれば、もはや準備通貨としての適性さえ疑われかねない。

売りの主役は日本だ。
中国が人民元防衛のために外貨準備を減らしている今、米国債の最大の投資家は日本になった。
Bloombergによれば、昨年12月、日本の米国債保有額は最近4年ほどで最も大きな減少となった。

「目立つのは、海外投資がめったにないほど魅力的な時にもかかわらず、売りが続いている点だ。
さらに、これは日本だけではない。
世界中で、外国人が米国債からかつてないほど資金を引き揚げている。」

世界中の投資家が米国債投資に二の足を踏む理由は明解だ。

  • トランプ政権下で双子の赤字が拡大する、あるいは、インフレが進む可能性
  • FRBが利上げを進める

米金利の上昇が続くなら、米国債、とりわけ長期国債への投資はリスキーになる。
持ち高をある程度減らしておこうとするのは当然だし、それと同時に外国人投資家のドルのポジションにも影響が及ぶかもしれない。
米経常赤字をバランスするためには誰かが対米投資をしなければならないのだが、その人気度は減退するだろう。

Bank of Americaのストラテジストは、日欧の金融政策にも言及している。
日欧が金融緩和を継続しているうちは、日欧投資家は「海外に投資するより国内に投資する方が容易」だという。
日欧の市場はほとんどリターンがとれないかもしれないが、ガッチリ中央銀行がイールド・カーブをグリップしてくれている。
米債でキャピタル・ロスを出すぐらいなら、ゼロの方がいいという考えもあるのかもしれない。