竹中平蔵教授:トリクル・ダウンなど存在しない

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BS日テレ番組で6月29日、東洋大学の竹中平蔵教授と元日銀理事の早川英男氏が戦後3番目の長さとなった景気拡大について議論した。
竹中教授はトリクル・ダウンについて、そのようなものは存在しないと言い切った。

「絶対、したたり落ちてはこない。
自分が生産性を上げて取りにいかない限り、今までより高い所得など得られない。
そのために改革をして、生産性を向上させて、その分の正当な賃金をもらうような社会にすべき。

世界はものすごい厳しい競争になっていて、発展途上国の人たちがみんなで頑張っている。」

竹中教授は「景気拡大の実感がない」一因に格差の存在があるとしたほか、トリクル・ダウン効果に期待などすべきでないと明言した。

想定メカニズムを転換したアベノミクス

2014年9月、アベノミクスの理論的支柱とも言われた浜田宏一内閣官房参与は「アベノミクスの第1期については、トリクルダウンであるのは事実」と認めている(現代ビジネス2014年9月12日号)。
同11月、甘利内閣府特命担当大臣(当時)は記者会見

「トリクルダウンがまだ弱いということです。
だから、トリクルダウンを強くする。
・・・
トリクルダウンを速くするという課題や、実質賃金ができるだけ早くプラスになるようにしていくなど、そういう課題が残っている。
・・・
デフレに戻らないようにトリクルダウンをしっかりスピードを速める、実質賃金が上がっていくようにする、その時間的猶予をもらいたいということだと思います。」

と語った。
ところが2015年1月、安倍晋三首相は参議院本会議で「安倍政権として目指すのはトリクルダウンではなく、経済の好循環の実現であり、地方経済の底上げだ」と述べ、世間を驚かせた(Reuters)。

(次ページ: 竹中発言の正しい聴き方)