白井さゆり教授:インフレであろうと増税であろうと

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2011年から昨年3月まで日銀審議委員を務めた白井さゆり慶應義塾大学教授が、2%インフレ目標達成の要件を語った。
金融・財政政策だけでインフレ目標を達成するのは難しく、年金・社会保障改革が重要だという。

「国民が2%のインフレ目標についてしっかり認識し受け入れていることが重要。
目標達成には家計の受け入れ姿勢が非常に大事だ。」

白井教授はテレビ東京番組で、2%目標の達成には家計のインフレ目標への理解・容認が必要と語った。

日英の比較

米国・ユーロ圏・英国でインフレ目標が達成されつつある中、日本だけが遠く取り残されているのはこの点にあるといい、英国と日本を比較した。

  • 英国: 2%+のインフレ目標を妥当と考える人が2000年頃から6割程度で安定。
  • 日本: 「知っている」という人がわずか3-4割。
    異次元緩和後の円安・物価上昇・消費増税で物価が高いと考えている人の割合が増え、7-8割に。
    うち8割が物価上昇は好ましくないと考えている。

この受け入れ方の差の一因は実質賃金の推移にあるという。

  • 英国: 現在(名目)賃金の伸びは2%超。
  • 日本: 異次元緩和後に実質賃金が大きく下落。
    昨年プラスになったが、より重要な将来期待については悲観的。
また、日英の歩んできた過去の違いも強く影響しているという。

  • 英国: インフレ目標は1990年代に導入、高いインフレ率から下げてきた。
    下げることはわかりやすく、国民にとっても受け入れやすい。
  • 日本: 低いところから上げてきたため家計の直観に合わない。

(次ページ: リフレに社会保障改革が必要なわけ)