田中直毅氏:放漫財政がトリプル安の火をつける

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国際公共政策研究センターの田中直毅理事長が、日本の放漫な財政・金融政策にあきれている。
財政規律の緩みへの疑問が高まれば、投機筋が日本売りを仕掛けてくることも考えられるという。

『日本売り』を仕掛ければ勝機があるとするリポートが相次ぐことも考えられる。
日本売りで稼ごうとする投資家の野望に火を付けるだろう。
そこで起こるのは債券売り、円売り、株売りのトリプル安だ。

田中氏は日本経済新聞とのインタビューで、このまま財政規律の緩んだ状況が続けば海外からの風当たりが強まると心配している。
それは「批判などという生易しいものではな」く、それに乗じた市場参加者が日本のすべてを売り崩そうと仕掛けて来かねないのだという。
田中氏はトリプル安となる可能性にまで言及した。

日本の財政問題が懸念される中、トリプル安はかなり以前からリスク・シナリオとして心配されてきた。
とは言っても、トリプル安はそうそう起こる現象ではない
例えば、債券安(金利上昇)と円安の同時進行は足元の状況ではイメージしにくいだろう。
円安と株安もそうだ。

しかし、だからと言って、トリプル安が起こりえないとは限らない。
日銀が執拗にインフレ誘導を続ける中、財政再建が進まなければ、極端な状況において日本の通貨・資産が売られる可能性もゼロではない。
内海孚元財務官は異次元緩和がスタートして1年弱経った2014年2月日本が痛みを伴う改革を怠ればトリプル安に見舞われかねないと話した。
行きすぎた円安やインフレを防ぎたくても、財政が悪化したままでは利上げもできない。
そうなってしまえば、やれることはほとんどなくなってしまう。

来たる衆院選について田中氏は、年金受給条件や医療制度の見直し等を争点とすべきと話す。

「社会保障の持続性が問われている。
制度見直しで高齢者を痛めつけるのかとの反発もあるが、そうした問題は一度総選挙で争点にしないと駄目だ。」

安倍首相は、使い道が若年層のためなら借金返済を後伸ばししてもいいだろうと主張している。
世代間の不公平を悪化させない使い道だから許してくれと言わんばかりだ。
世界一の(グロス)政府債務対GDP比率を築き上げた赤字体質の日本政治。
今でもまだ赤字を積み上げることが解決策と思い続けている。
田中氏はあきれ気味だ。

「安倍首相はPBの黒字化を先送りしても歳出を増やす考えだ。
財政規律をゴムひものように緩められると思い込みたいのだろう。
・・・
世界的に訪れている量的緩和の転機を演出できない政治、ゴムひものような緩い財政規律は世界広しといえども日本くらいだ。」