日本銀行

無責任な債務者たち

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7月8日号の週刊ダイヤモンドを読んでいて面白いことに気づいた。
2人のタカ派エコノミストが異口同音に政府・日銀のバランスシート健全化の重要性を説いているのだ。

1人は東短リサーチの加藤出氏。
明治政府が発行した太政官札(不換紙幣)について信認を得るため、大隈重信が痛みをともなう改革を行ったことが書かれている。
発行体の信用力が大切という話だ。

もう1人が早稲田大学ファイナンス総合研究所の野口悠紀雄氏。
量的緩和政策が出口を迎えると、日銀の財務が悪化しかねず、日銀が債務超過になれば通貨の信認が失われかねないと書かれている。
こちらも発行体の信用力の話だが、統合政府(狭義の政府+日銀)のうちの日銀の債務超過について焦点をあてている。
(もちろん、政府の財政悪化についても言及されている。)

TPOをわきまえない日銀審議委員

この2氏が異口同音にこうしたコラムを書いた背景はなんだったろう。
筆者は真っ先にある日銀審議委員の発言が思い浮かんだ。
野口氏はそれに言及していないが、加藤氏はコラムの中で言及している。
最近別件でも物議をかもした原田泰審議委員の発言だ。

「そもそも、中央銀行の損益が赤字かどうかを気にしてお札を使う人がいるでしょうか」

(次ページ: 内容・姿勢ともにバツ)