河野龍太郎氏:長期金利ターゲットは10月に0.3%に

BNPパリバの河野龍太郎氏が、長期金利の誘導目標の引上げについて予想している。
物価上昇にともない、10月にも0.3%程度に引き上げられるという。

河野氏はReutersへの寄稿で、久しぶりに純粋に経済にかかわる主張を展開している。
あいかわらず極めて周到で明解なものだ。
長期金利ターゲットについて河野氏はこう予想する:

  • 前提: 10月、CPIコアが1%以上で定着する
  • メイン・シナリオ: 10月に長期金利ターゲットが引き上げられる
  • リスク・シナリオ: 円安が批判され、引上げ時期が7月に前倒しされる
  • 引き上げ幅: 逐次引上げを予想させないため比較的大きな30ベーシスに
  • 金利上昇抑制が困難になれば、マイナス金利の併用も

興味深いのは、リフレを目的とした金融緩和の制度に根差す特徴だ。
金融緩和は、リフレが功を奏するとより効果を増大させるようにビルトインされている:

  • 金融緩和で低金利(誘導目標は名目金利)を維持する
  • インフレが上昇すると出口を模索する
  • この時、名目金利は一定とされインフレが上昇するから実質金利はより低下する
  • 誘導目標を引き上げるまで、本質的に重要な実質金利は極めて低位になる
  • 金融緩和の度合いは出口において極めて強くなる

だから、金融緩和を引き締めに転換する際には相当に大きな利上げが許容されるのである。

「夏場以降、CPIコアは1%台に乗せてくる。
実質長期金利がマイナス1%近くまで低下すれば、それは歴史的な金融緩和状況と言ってよいだろう。
そこで長期金利の誘導水準を多少引き上げても、実質長期金利で見れば、金融緩和の度合いは一段と増す。」

と河野氏は書いている。

実質金利(物価連動債利回り
物価連動国債利回り