河野龍太郎氏:財政インフレの時代が来る?

BNPパリバの河野龍太郎氏がReutersへの寄稿で、クリストファー・シムズ教授による物価水準の財政理論(FTPL)に基づく積極財政の提案について論じている。
10のQ&Aとして書かれており勉強になるが、ここでは河野氏の予想する日本の将来について紹介したい。

河野氏の仮説はこうだ。

「低成長の時代には、民主主義がうまく回らず、リカーディアン型政府は非リカーディアン型政府に取って代わられ、中央銀行は再び国債管理を割り当てられて、社会は高率のインフレを経験するようになる」

これを噛み砕いて理解しよう。

  • 「低成長の時代には、民主主義がうまく回らず」
    全体のパイが大きくならなくなると、比較的割を食う人たちの不満が募る。
    民主主義の名の下に選挙民に媚びる政治家が現れ、支持を集めるようになる。
  • 「リカーディアン型政府は非リカーディアン型政府に取って代わられ」
    政治家にとって選挙民へのバラマキが優先事項となるため、政府はリカーディアン(借金を返すつもりの人)から非リカーディアン(借金を返すつもりのない人)になる。
  • 「中央銀行は再び国債管理を割り当てられて」
    悪化した財政を維持するために、中央銀行は国債市場の需給悪化を防ぎ、金利を低位に保つ役割を負わされる。
  • 「社会は高率のインフレを経験するようになる」
    拡張的な財政政策が続くことで需要が供給を上回り、インフレが続く。
    中央銀行が金利上昇を許容できないため、インフレが進んでも利上げで抑制することができず、高インフレに至る。
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「近年のポピュリスト政権の誕生と、金融政策から財政政策への世界的なシフトはこうした文脈で捉えるべきではないか。
世界的に財政インフレの時代が訪れる可能性がある。」

との歴史観を述べている。

こうなると気になるのが、いつ財政インフレになるかだ。
河野氏は、団塊世代が75歳前後で医療費が急増する2025年前後、85歳前後で介護費が急増する2035年前後を挙げている。