榊原英資教授:異次元緩和「賞味期限切れ」で円高へ

ミスター円こと青山学院大学 榊原英資教授が、ドル円相場1ドル100円の従来予想を据え置いた。
さらに、日米経済対話や北朝鮮問題が為替に及ぼす影響を予想している。

「現状のトランプ政権の輸出増・ドル安を望む政策は、対ドルでの緩やかな円高をもたらし、それが継続するだろう。
年末までに1ドル100円近くまで円高が進んでも驚かない。」

榊原教授はBloombergで、従来からの1ドル100円程度までの円高進行予想を継続した。
根拠となるのは日米間の金融政策のダイバージェンスとコンバージェンスだ。
ダイバージェンスは異次元緩和とともに起こった。

「ドル円は日米間の金融政策の違いに影響を受ける。
2013年の異次元緩和実施以降、120円超まで円安が進んだ。」

さらに、米経済の回復が鮮明になり、FRBが利上げを始めた点もダイバージェンスに数えられよう。
ところが、こうした流れが逆転し、今コンバージェンス側に振れつつある。

「現在、日銀の緩和政策が最終段階に差しかかりつつあり、(円安)影響がゆっくりと解消しつつある。
一方、米金融引き締めは市場予想ほどには進まないだろう。
この2つの要因の組み合わせで、緩やかな円高・緩やかなドル安が進んでいる。」

日本が為替操作を行っているとのトランプ大統領の考えについては、榊原教授は政府答弁のような回答をしている。
当然、金融メディアの関心を引くような話にはならなかった。

「トランプ大統領は為替が重大な影響を受けていると主張しているが、日本は為替介入はしていない。
日本は為替操作はしていない。
先に述べた通り、為替は日米両国間の金融政策のスタンスの違いによるものだ。」

榊原教授は、ドル円が100円を超えてさらに下がる可能性も否定しない。

「トランプ大統領の発言ほかの要因によっては今100円に向かっているが、速やかにさらに下げる可能性もある。
すぐ起こるとは思わないが、両国の関係や要人の発言によっては早まる可能性もある。」

東京発の記事では、榊原教授は「日本銀行による金融緩和策の効果も『賞味期限切れ』になってきた」と語り、為替介入について従来の予想を継続している。

「為替介入は両国が合意しないと実施できない。
今回100円に向かう過程ではあり得ない。
米国がある程度のドル安を望んでいるため、90円が視野に入る状況になれば可能性が出てくる」

その他、日米経済対話や北朝鮮をめぐる緊張について為替への影響を予想した。

  • 経済対話: 「ハードな交渉」が予想され「難航すればどうしても円高になる」
  • 北朝鮮: 「うまく解決できれば、ドルが若干戻す可能性がある」