榊原英資教授:実弾のない口先介入は効かない

ミスター円こと青山学院大学 榊原英資教授が1ドル100円に向けた円高進行を予想した。
市場が考えるほどには米経済は強くないとし、日本の追加緩和も考えにくいためだ。

「(米経済は)今年後半には厳しい現実に直面し、円は日米金利差の拡大観測の後退などから1ドル=100円近くまで上がると見ています。」

榊原教授は日本経済新聞にドル円予想を語った。
FRBが予想するほどには米経済の先行きは強くないとの見方だ。
一方で日銀の異次元緩和にも終わりが近づきつつあるとの見方が台頭。
日米の金融政策のダイバージェンス拡大は市場のコンセンサスとは言い切れなくなっている。

為替介入には合意が要る

榊原教授の予想が当たるとして、1ドル100円はどういう影響を及ぼすだろう。
金融市場は金儲けの話にすぎないから、実体経済に目を向けよう。
輸出産業の損益は傷むだろうし、若干製造業の海外移転が速まるかもしれない。
一方、家計や輸入産業は輸入物価低下の恩恵を受ける。
また、物価低下要因となるから日銀は悲しむのだろう。

では、財務省は為替介入や口先介入をしてくるのか。
ミスター円は、為替介入の難しさを語る。

「為替介入、すっかり難しくなりましたね。
円・ドルの市場介入は日米両国の合意がないとできません。
90年代は米国がドル安を望まず、日本は円高を嫌っていたため利害は対立せず、さほど支障なく円売り・ドル買いの介入に踏み切れました。」

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