榊原英資教授の日銀総裁人事予想

Share

ミスター円こと青山学院大学 榊原英資教授が、次期日銀総裁人事について予想した。
その予想に込められたいくつかの前提を斟酌しておこう。

「黒田東彦総裁は来年4月に再任された後に任期途中で退き、日銀生え抜きの雨宮正佳氏が副総裁から昇格する」

これが榊原教授がBloombergに語った予想シナリオだ。
黒田総裁は2018年4月に再任されると雨宮氏を副総裁に就け、それから1-2年後に黒田総裁が退任、後任に雨宮氏が就くと考えているようだ。
まだ副総裁や外部での経験のない雨宮氏を総裁に就けるためにステップを踏むというわけだ。
仮に雨宮氏が黒田総裁の後任となれば、財務省と日銀のたすきがけ人事が維持されることになる。

榊原教授の予想の背景は雨宮氏側の事情だけではあるまい。
良くも悪くも黒田日銀が協調してきた政府の側の事情もあるのだろう。
自民党は今年3月、党の総裁任期の上限を従来の連続2期6年から連続3期9年に延長した。
安倍首相の2期目の任期は2018年9月に満了するが、総裁選3選となれば最長で2021年9月までの任期を得ることになる。
仮にそうしたシナリオになるなら、黒田総裁の再任を疑う人ははるかに少なかったろう。

安倍政権の支持率急低下を受けて、安倍首相の党総裁3選の確率は大きく低下している。
仮に再選されたとしてもすでに影響力の低下は進んでおり、3期目の政権・党運営は難しくなるだろう。
自民党の中には異次元緩和に疑問を呈する人も多く存在する。
仮に安倍政権が続いたとしても、政府・与党からの異次元緩和への支持は弱まっていく可能性が高い。

黒田総裁は職にある間、金融緩和を継続するのだろう。
次の総裁の仕事は、ショックのない形での店じまいを模索することになる可能性が高い。
榊原教授の予想が当たるなら、今から1.5-2.5年後に日本でも金融引き締めが始まるのかもしれない。
市場は少し前からそれを先回りするだろう。