棚瀬順哉氏:ドル円が金利差と離れるとき

米ドル

JP Morganの棚瀬順哉氏が、金利差と為替の関係についての思い込みを警告した。
政治要因が高まるような時期には、為替は金利差の影響を解かれて動き出すと指摘した。

棚瀬氏はテレビ東京の番組で、為替の方向の見方について解説した。
世界で広がるポピュリズムや保護主義への傾斜は「不可逆」とし、保護主義が為替レートに影響を及ぼすようになれば

  • 経常収支黒字国(日本など)の通貨が買われる
  • 経常収支赤字国(米国など)の通貨が売られる

という傾向が強まると予想した。
日米貿易摩擦がヒートアップした1993-95年にはまさにそうした傾向だったと紹介した。
仮にトランプ大統領が実際に保護主義的な政策を進めれば、金利差を背景とする現状の円安ドル高傾向が1990年代のように逆転する可能性があるという。

チャートを見直しておこう。
日米2年もの金利差とドル円

金利差(赤)が上昇すればドル円(青)で円安ドル高が進む、つまり青線が上に向かうというのが現状だ。
ここで2年もの金利を使ったのは、以前はこの年限が為替と連動性が高かったためだろう。
最近の2年もの金利は日米ともに地を這っており、差の大きな10年もの金利差を使うことが多い。

あらためて思い知らされるのは、意外と金利差と為替が連動していないということ。
これには、微分値で見るべきとか、実質金利で見るべきとかいった要因があるのだが、それにしてもたいして説明力がないように見える。

棚瀬氏は、

  • 日欧での保護主義が為替に大きな影響を及ぼす
  • 日欧での政情不安がリスク・オフの円買いを再開させる

可能性がゼロではないという。
何ごとにも金融相場に慣れきってしまった昨今、リスク・シナリオとして記憶しておくべき話だろう。