本当の米大統領選はこれから始まる

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11月8日に行われた選挙は、米大統領を選ぶ選挙(選挙人投票)のための選挙(一般投票)だった。
大統領を選ぶ選挙(選挙人投票)は米国時間の明日19日に行われるが、以前から囁かれていたありそうにないシナリオがもう一度囁かれ始めている。

それは、共和党の選挙人の造反だ。
トランプ氏は大統領選の過程で米国を二分してしまった。
二分されたのは何も米国だけではない。
共和党もまた二分されてしまった。
そして今、マイケル・ムーア監督が期待するように、共和党内の敗者、かつての共和党主流派が本選で造反するのではと噂・期待されているのだ。

米政治紙PoliticoがLarry Lessigハーバード大学ロー・スクール教授の予想を報じている。
レッシグ教授は昨年9月、選挙制度改革のシングル・イシューで民主党6人目となる大統領選出馬を表明し、約2か月後に出馬をとりやめた。
教授はいまも「Electors Trust」という名の反トランプ団体を運営、共和党選挙人に対して造反の場合の法律相談を無料で提供している。
その教授が、民主党選挙人団から(13日報道時点で)20人程度の造反が出ると票読みしている。
トランプ、クリントン両候補が均衡するには、37人の造反が必要だ。
しかも、37人がクリントン候補に投票する必要がある。

「選挙人が最終的に良心に従って(党の方針に反して)投票を行うかどうかは、ある程度は同じことをする人が十分にいるかどうかに依存する。
結果を変えるのに必要な数の半数を超える人たちが、良心に従う投票を真剣に考えていると信じている。」

一部の州が州法で規定しているのを除けば、米連邦法・合衆国憲法では選挙人が事前の誓約に従って投票する義務を課していない。
もちろん共和党は引き締めを図っているが、公然と造反を宣言する選挙人も存在する。
歴史上最も選挙人の造反が多かったのは1808年の6人。
2人以上の造反は1832年以来起こっていない。

11月8日の一般投票では、それまでトランプ支持を押し隠してきた多くの《隠れトランプ派》が大方の予想を覆した。
明日の本選挙では《隠れ反トランプ派》が米社会に波紋を投げかけるのだろうか。
こうしたリスクを恐れてか、トランプ氏は勝利後猫なで声を続けている。
選挙人投票で勝利が完全に決まれば、自分のペースで語り始めるかもしれない。
仮にそうなれば、市場への影響も計り知れない。