加藤出氏:膨れた日銀の戻し方

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東短リサーチの加藤出氏が「中央銀行の『資産正常化』問題」について注意喚起している。
日銀のバランスシート回帰は至難の業になると予想している。

くわえ込んだら離さない

商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。お買い物される際には、必ず商品ページの情報を確認いただきますようお願いいたします。また商品ページが削除された場合は、「最新の情報が表示できませんでした」と表示されます。 加藤氏は週刊ダイヤモンドで、中銀の資産正常化の問題を考えれば「トランプ・ラリーの熱狂も冷める」と書いている。
金融政策の正常化で一歩も二歩も先を行くFRBのバランスシートの話だ。
日米欧の中央銀行は国債などの資産を買い入れ保有した結果、リーマン危機前に比べてバランスシートを格段に膨らませている。
FRBはすでに買入れを停止し、利上げという金融政策正常化に着手しているが、今も大量の米国債を抱えている。

量的緩和は中央銀行が国債などの資産を保有することでマネタリー・ベースを増やす政策だ。
ところが国債などの債券は時が来れば償還されてしまい、自然と量的緩和は巻き戻ってしまう。
FRBはそうした巻き戻しが時期尚早として、償還分を再投資することでバランスシートの規模を高止まりさせている。
加藤氏が指摘するのは、この再投資の終了についてのFRBのスタンス変化だ。

「長期的な資産の規模に関しては、今よりは縮小させるものの、・・・金融危機以前の世界に戻さなくてもよいのではないか、との見方が増えている。」

金利上昇懸念がバランスシート縮小を拒む

同様のことは最近、日銀の雨宮正佳理事も言及していた。
誰もバランスシートを戻したくなくて戻さないのではない。
長期金利上昇を恐れて、元に戻せないのだ。

2014年9月ジェフリー・ガンドラック氏はこんなことを言っていた(ThinkAdvisor報)。

「2012年から5年後の2017年、FRBは債券を売るか、売って買い戻さなければいけない。
それは金利上昇圧力になる。
2020年には財政赤字をリファイナンスしなければいけないかもしれない。
人口動態からして、5年後には年金制度のための歳出問題が再び噴出する可能性がある。」

市場の賢人らは、金融政策だけでなくそれを取り巻く諸要因まで読み切っているのだ。
ちなみに現在では、トランポノミクスという要因が加わった分、金利上昇圧力は高まったと見るべきだろう。
苦境を読まれてしまうと、政策はそれに隷従せざるをえなくなる。

(次ページ: 投資へのインプリケーション)