加藤出氏:江戸と平成のインフレ政策

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東短リサーチの加藤出氏が《憂き世から浮世へ》とも称される元禄時代を現在とだぶらせた。
デフレ不況からは脱したものの、中身主導だったともいいにくく、金融政策が財政規律を弛緩させないか懸念している。

松の廊下の深層

街は師走、日本橋から両国界隈で生活していると忠臣蔵を意識する頃合いとなる。
一昨日・昨日と両国の吉良邸跡周辺で行われた露店市「元禄市」を覗いてきた。
吉良上野介の地元なのだが、今ではバランスよく「吉良と赤穂を偲」ぶとして、「吉良祭」と「義士祭」の両方を兼ねて行われている。
こじんまりとした露店市だが、とても雰囲気のいい祭だ。
元禄そば400円としるこ200円をいただいてお腹いっぱいになった。
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本題に戻ろう。
加藤氏は週刊ダイヤモンドへの寄稿で、浅野内匠頭と吉良上野介の確執の原因について、金融経済の観点から解説している。
改鋳によるマネタリー・サプライ拡大とインフレについての認識の相違、そんな観点だ。
とても面白いコラムであり、また、今と重なる部分がイマジネーションを掻き立ててくれる。

今心配すべきは財政規律

加藤氏の主たるテーマについては本文を一読されることをお勧めするが、最後の1文だけ紹介しておこう。

「日本銀行は大量に国債を買いながら、10年国債金利をゼロ%近辺に誘導し、インフレ率が上昇するのをじっと待つ戦略を採用している。
多くの国債をマイナス金利で発行できる環境が長く続くため、財政規律などが緩む恐れはないか注意が心配である。」

この文章の構成こそ、本質を見つめているエコノミストに共通のものだ。
加藤氏はもちろん、マイナス/ゼロ/超低金利が金融機関や実体経済に及ぼす副作用も心配しているのだろう。
また、マネタリー・ベースというタネがふんだんに巻かれた状況で、将来インフレが昂進する危険がある面も心配しているに違いない。
しかし、この2文を読む限り、加藤氏の足元の最大の心配事は財政規律の緩みのように感じられる。

(次ページ: 日本が詰んでいると言う人たち)