加藤出氏:景気後退で円高というシナリオ

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東短リサーチの加藤出氏が、方向転換を拒み続ける日銀の姿勢を批判した。
既定路線に固執すれば、景気後退期に円高を招くという最悪のシナリオを生みかねないと心配している。

「日銀としては18年度までになんとかインフレ率を2%にいったん近づけて『目標はおおよそ達成されました』と宣言しておかないと、19年度以降はチャンスが当面到来しない恐れがある。」

加藤氏はNikkei Styleで、日銀のリフレ政策失敗の可能性が濃厚になったと書いている。
2020年オリンピックの特需は開催年の前にフェード・アウトするだろう。
ならば、2018年がラスト・チャンスと考えるべきだ。
しかし、金融緩和をいくら続けても賃上げ・インフレに結びにくい環境にあるという。

バブル期とは状況が違う

加藤氏は過剰な金融緩和がバブルを引き起こした1980年代終わりとの違いをこう説明する。

「バブル経済の当時は、需要が非常に強かったことが人手不足を発生させた。
・・・
しかし、現在の人手不足は労働年齢人口の減少が主因だ。
しかも、大半の日本人は将来に不安を抱いており、家計の所得が増えても財布のひもは緩みにくい。」

実は総括的でなかった日銀の検証

商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。お買い物される際には、必ず商品ページの情報を確認いただきますようお願いいたします。また商品ページが削除された場合は、「最新の情報が表示できませんでした」と表示されます。 昨年9月の日銀の「総括的な検証」で、世間の人たちは疑問を持ったはずだ。

  • 金融緩和は本当に(2%という)インフレを引き起こすのか?
    少なくともマネタリー・ベース拡大にその効果がないことはほぼ証明されたが、それ以外の緩和策はどうなのか。
  • インフレは本当に経済成長をもたらすのか?
    明らかに不満足な物価上昇率に比べれば、経済は悪くないように見える。
    この程度のディスインフレが経済にマイナスなのか。
    リフレ以外の経路で経済回復を目指してもよいのではないか。
  • 今や日銀の金融政策自体が経済の不安要素になってしまってはいないか?

こうした本質的かつ素朴な疑問に誰か満足のいく答を語るべきではないのか。
少なくとも、日銀にそのつもりはないように見える。

(次ページ: 景気停滞で円高という悲劇)